道端の一輪の花
版権腐向け小説(主に日和)を気まぐれに書き込みます。 全ての人に気づかれなくても構わない。道の途中でたまたま誰かの目に入る、それくらいがちょうど良い。
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夢の話(鬼←妹)
admin≫
2012/04/10 23:12:53
先日見た夢の第一部(前半)を少し脚色して置いておきます。
後半は、部屋を出た鬼男が閻魔に何かあってざわつく仲間たちから事情を聞いて
閻魔の下に全力疾走→鬼閻展開、だったのですが、よく覚えてなくて続かなかった^q^
▼つづきはこちら▼
鬼男が閻魔大王の秘書を辞めてどれほどの時間が経ったんだろう。彼はどうやら本当に優秀な秘書だったみたいで、彼の抜けた穴を埋める存在は1人や2人では到底間に合わなかった。もうずいぶんと時間が経っているはずなのに、未だに閻魔大王の秘書の仕事は複数人での分担制だ。
「鬼男は、さ…本当に、閻魔大王の元に戻る気はないの?」
「妹子…またその話か?何度も言ってるだろ。僕の意思の問題じゃないんだ。僕は、もう閻魔大王のそばに居ることを許されていない。」
「ふぅん…?」
鬼男はもともと、真面目すぎるところがある奴だからこうと決めたら意地でも曲げようとしない。閻魔大王も、規則や公平を歪めるわけにはいかないと表面上は鬼男が隣にいないことを気にした風もなく、むしろ当然の報いとしているけれど…実際はどうなんだろう。
「鬼男、鬼男。」
布団に寝転がったまま、ちょいちょいと机に向かう鬼男を手招く。鬼男は面倒くさそうに顔をしかめながらも、「何だよ?」と返事をしてこちらに向かってきてくれる。目の前まで来たところで、にっこり笑って隙だらけの彼の腕を思いっきり引き寄せた。
「っ、ぅわ…!?」
「ねぇ、鬼男…秘書を辞めてからは一度も閻魔大王と会ってないんでしょう?さすがに、たまってるんじゃない?」
バランスを崩して僕の上に倒れこんだ鬼男を逃がさないように、ぎゅっと背中に手を回して抱きしめる。言葉の意味が理解できなかったのか、首を傾げる気配。
「僕が相手…してあげようか?」
抱き寄せたまま、首筋に顔をすり寄せて誘うように耳元で囁く。
「っ、止めろ妹子!!」
部屋着の裾から手を差し入れてめくり上げようとしたところで、鬼男もようやく僕が言わんとしているところを理解したらしく、彼は声を荒げて僕の腕を強く掴んで引き離してきた。
(あ…)
勢い余ってめくれ上がった服の下。見慣れない文字が見えた。見慣れない、というか…本当に存在しているなんて思ってもいなかったというほうが正しい。僕じゃなくても、きっとここで働く者なら誰もが知っているであろう、閻魔大王の…
(結局、離れてしまったって鬼男は閻魔大王のものだって、ことなんだ…)
「妹子…?」
思いっきり僕を拒んだくせに、何も言わない僕を不思議そうに呼ぶその声は心配そうで…どこまでも優しい。
「鬼男…君は、早く閻魔大王の隣に戻るべきだと僕は思うよ。」
「だから、僕は…」
「閻魔大王は!!大王は…鬼男が戻ってくるのをずっと待ってる。」
なおも言い訳しようとする鬼男に、僕は柄にもなく声を荒げる。これ以上、僕をみじめにさせないで欲しい。
「それは…君の胸に印された所有契約の呪が未だに残っていることが、何よりの証拠じゃないか。」
「これは…別に、」
「鬼男…戻って、あげなよ。もう、十分だろう…?」
「妹子…」
ごめん、ありがとう。そう言って鬼男は僕に背を向けた。僕は、俯いて顔を上げない。ドアが開いて、閉まる音。まったく、なんて短く…滑稽な、片思いだったんだろう。
頬を伝うこれは、決して涙なんかじゃない。泣く必要なんて、どこにもないんだ。滲む視界で僕は1人、自分の中で言い訳を重ね続けていた。
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