ハッピーウェディング!(鬼男×閻魔)
admin≫
2009/11/14 02:00:54
2009/11/14 02:00:54
いつかの某方々のブログを見てから、書きたくて仕方なくなって、書いていた結婚式ネタです。
ただウェディングドレスを着せたいという気持ちだけで書き出したので、まとまりもなく、長い話に…orz
・閻魔女体化です。
・現代パロ(?)です。
・え、鬼男くんどうした!?(カッコつけ的な意味で
・季節感?そんなものないよ!
・悪いのは、結婚式は6月に挙げるものだという誤った認識を私にさせた日本だよ!
・現実的な問題はすべて華麗にスルー
・相変わらずの砂吐き甘々
ただウェディングドレスを着せたいという気持ちだけで書き出したので、まとまりもなく、長い話に…orz
・閻魔女体化です。
・現代パロ(?)です。
・え、鬼男くんどうした!?(カッコつけ的な意味で
・季節感?そんなものないよ!
・悪いのは、結婚式は6月に挙げるものだという誤った認識を私にさせた日本だよ!
・現実的な問題はすべて華麗にスルー
・相変わらずの砂吐き甘々
▼アンタを世界で一番幸せな花嫁にしてやりますよ▼
買い出しの帰り、隣を歩いていた大王が不意に足を止めた。
僕も少し先に行ってしまったところで立ち止まって、振り返る。
「大王?」
「…あっ、ごめんごめん。なんでもないよ。」
声をかけるとハッとしたように視線をこちらに向けて、笑って答えながら小走りに距離を縮めてまた隣に並ぶ。
「ごめんねー、そろそろ衣替えかなって思ってさ。」
「そうですね…。」
いい値段で夏物売ってたんだーと笑う大王に相槌を打ちながら、ちらっとさっきまで大王の視線を奪っていた店に目をやると、ショーウィンドーにはジューンブライドフェアの文字と共にドレスが飾られていた。…ウェディングドレス専門店。
「やっぱ、女の子だもんな…」
「…鬼男くん?」
思わず僕が呟くと、聞き取れなかったらしい大王が小首をかしげて名前を呼んでくる。
「いえ、何でもありません。夏物はまた今度見ることにして、今日は帰りましょう。食材が腐ります。」
「あはは…確かに。俺もお腹空いてるしね。」
話を逸らして家路を急ぐ。良かった、気付かれなかったみたいだ。
何だかんだで、性別を意識させるような発言や行動、女扱いはあまり好まないんだ、このイカは。
◇◇◇
ふたり一緒にいることができればそれで良い。
鬼男くんにはそう言ったし、今だってその気持ちは変わらない。それでも、この前の買い出しの時ドレスに目を奪われちゃったのは、俺も何だかんだで女の子なのかもしれない。…不本意だけど。
「あ、でも…鬼男くんはカッコいいだろうなぁ…」
タキシードをピシッと着こなした鬼男くんを想像する。きっと、誰にも負けないくらいカッコいい。
「大王、ちょっといいですか?」
さっき鳴ったインターホンに反応して、進んで玄関に向かった鬼男くんが、いつの間にか寝室から顔を出して声をかけてきた。
「んー、なぁにー?」
返事をして席を立ち、言われるまま寝室に向かう。
「っ…!?」
入ってすぐ、目に飛び込んできた純白。ちょっと目がチカチカした。
「鬼男くん…これ…」
「この前アンタが見てたやつですよ。言ったら要らないって言われると思ったんで、勝手に買ってきちゃいました。」
驚きのあまり何を言ったら良いか分からない俺に、鬼男くんはいつものように笑った。
「なん…っ、バカじゃないの?こんなの買ってどうするのさ!」
っていうか、見てたの気付かれてたんだ…。
嬉しくない、と言ったら嘘になる。けど…こういうのはなんか、俺が要求しちゃったみたいで嫌だ。
ただ良いなって思っただけで、鬼男くんへの気持ちを神に誓ったり結婚式を挙げたりしたいわけじゃなかったから。
「俺は、鬼男くんと一緒にいられればそれで良いんだよ。結婚とか、そんなの関係なしにふたり一緒に、って…」
「知ってます。でも、これを見たら…見たくなったんですよ。このドレスを着て笑うアンタを。」
喜びと、申し訳なさがない交ぜになって知らず俺の口から出てくる言葉たちを、鬼男くんは人差し指で触れて不敵に笑うことで遮った。
「これはただの僕のわがままです。だから…友人も豪華な料理も要らない。ただ二人きり、お互いがお互いに誓い合う、簡単な結婚式を今から挙げてみませんか?」
このドレス、絶対大王に似合うと思うんです。と、少し照れた様子で顔を赤くして言う鬼男くんは、期待するような目を向けていて。
そりゃ、買っちゃった以上着ないなんてもったいないし、ついさっきまで考えてたけど…って、ちょっと待って。
「え、今から!?」
「だって、せっかく届いたんだから早く見たいじゃないですか。」
思わず声を上げた俺に、鬼男くんはにっこり笑って返してくる。
心の準備も何もあったもんじゃない。
「大丈夫ですよ、化粧なんかしなくたって綺麗ですから。」
「そういうことじゃなくて!」
もう、何この子…こんなに強引だったっけ…?
「…鬼男くん、は?」
「僕?」
息を大きく吐いて気持ちを落ち着かせてから尋ねると、首をかしげられた。
「鬼男くんのは、あるの?俺だけドレスなんてやだよ。」
「あ…。…えっ、と…」
俺の問いに気まずそうに逸らされる視線。…ほんとに俺のことしか考えてなかったのね。
「君ってほんとにバカ。」
「すみません…。」
でも、そんなところも大好きだよ。なんて、言ってやらない。代わりに鬼男くんの手をくいっと引いた。
「今から見に行こうよ。あの店、ドレスに合わせた男性衣装もあったでしょ?」
せっかく俺のために選んでくれたんだから、隣に立つ鬼男くんだって最高にカッコ良くしたいじゃない?
◇◇◇
結局、届けてもらったドレスも一緒に持って、今度はふたりで店に向かった。
店員は再びやって来た鬼男とドレスに、微笑みとも苦笑いともとれるような表情で。
「最近は二人きりでの結婚式も珍しくないんですよ。」
「そうなんですか?」
普段あまりスーツを着ない鬼男のサイズを計りながら店員が言うと、鬼男は少し驚いたように聞き返す。
「えぇ。ドレスは着てみたいけど…って考える女性も増えてきたみたいで。うちでも二人きりの結婚式用の部屋と、メイクルームを用意してるんです。」
レンタルでそのまま式を挙げ、写真だけ撮って終わり。
少し寂しい気がしなくもないが、ふたりが納得して幸せならそれでも良いのかもしれない。
「鬼男くん、計り終わった?」
計っている間店内を歩き回っていた閻魔が、手を止めている店員を見て声をかけた。
「あ…」
「はい、終わりましたよ。…お客様、運が良いです。今日は部屋の予約、入ってないんです。」
閻魔の問いに鬼男が思わず店員の顔を見るとにっこり笑ってそう返された。
「予約って?」
当然話を聞いてなかった閻魔は小首をかしげて聞いてくる。
店員は微笑んで、鬼男にしたのと同じ説明を閻魔にもした。
「せっかくドレスも持ってきたので、よろしければどうでしょう?メイクも出来ますし、タキシードだけでもレンタルの方が安上がりですよ。」
「だ、そうですが…どうしますか?大王。」
店員の説明から引き継いで、鬼男は視線を閻魔に向ける。
「う…え、っと…」
閻魔の目には期待と迷いが混在していた。
素敵だと思うし、やってみたいとも思う。けれどそこまでするほどのことなのか。
最初はただ、ふたりきりの簡単なものという軽い気持ちだったのだから。
「…どうせやるんなら、ちゃんとやりましょうよ。できる環境が整ってるんです、やりたいなら素直にやりたいって言え。」
世話しなく視線を左右に振る閻魔の意識を頬に触れることで自分に向けさせ、鬼男は閻魔と目をしっかり合わせて言った。
「うぅー…だけど…」
「…ちなみに僕は、大王が一番綺麗な姿で僕とともにあることを誓ってくれるなら、是非やりたいと思ってます。」
まだ踏ん切りがつかない閻魔に、鬼男はにっこりと笑って自分の意思を伝える。
閻魔の表情が安心したように少し柔らかくなった。
「どうしますか?大王。」
改めてもう一度問いかける。
今度は閻魔も幸せそうに満面の笑みを浮かべて
「俺もやりたい!」
はっきりと自分の思いを口にした。
「分かりました。…あんたを世界で一番幸せな花嫁にしてやるよ。」
鬼男も閻魔の返答に頷き、満足げに笑って答えた。
「ドレスに合わせるならこれをおすすめいたしますが、いかがですか?」
「「っ!」」
話がまとまったところで、鬼男のタキシードを選んでいた店員が声をかけた。
店員の存在を半ば忘れていた二人は互いに肩を跳ねさせて赤面する。
「あ、あのっ…!」
「おふたりは、素敵なご夫婦になりそうですね。少し羨ましいです。」
恥ずかしさのあまり何か弁解しようと口を開いた鬼男に、店員はにこにこと楽しそうに笑って持っていたタキシードを鬼男に合わせる。
どこか手慣れた感じが憎らしい。
「どうですか?ドレスだけでなく、体格や髪、肌の色も考慮して選択してみたのですが。」
店員は近くの鏡を引き寄せて鬼男の姿を映しながら、閻魔にも問いかける。
「……」
「大王?」
惚けたように鬼男を見つめていた閻魔に、鬼男は首をかしげて声をかける。
「ふぇっ!?ななっ、何!?」
「いや、何じゃなくて…どうですか?これで良いですかね?」
ビクッと肩を震わせて閻魔が聞き返すので、鬼男は少し呆れた様子で再度確認の問いかけをした。
「あ…う、うん。似合いすぎてて…その、み…見とれてた。カッコいいと思うよ、それ。」
「っ…ありがとうございます。」
恥ずかしそうに頬を染めて俯く閻魔の姿に、鬼男の方もなんだか気恥ずかしくなってきて、同じように頬を赤らめながら礼を返した。
「では、早速準備いたしますね。…一組、着替えに入ります!式の準備を!」
『はーい!』
店員はにっこり笑って二人に言ってから、店の奥に向かって声を張り上げ指示を出す。すぐさま奥から複数人の声が返り、バタバタと慌ただしい音が聞こえ始めた。
「すぐに着替え担当が来ますので、新郎の方は暫しお待ちを。新婦の方は私とこちらへお願い致します。」
返事と準備を始める音を確認して振り返った店員は、持っていたタキシードを鬼男に手渡すと、代わりにドレスを手に二人に告げる。
「はぁーい!…じゃあ、鬼男君。後でね?」
「はい。楽しみにしていますね。」
お互いはにかんだような笑みを浮かべて言葉を交わし、ひとまずは背を向けた。
◇◇◇
「とてもお似合いですよ。」
着替えとメイクを終えた控え室。
緊張した面持ちで、しかしどこか恥ずかしそうに頬を赤らめて立つ閻魔に、店員は満足そうに頷いた。
「ホントに?俺…変じゃない?なんか、その…着慣れなくて。」
スカートやドレスなんて滅多に着ないからと、不安げに何度も確認してくる閻魔。
「大丈夫です。すごく綺麗ですよ。…早く鬼男さんに見せたいですね。」
「っ!べ、べつにっ…そーいうんじゃなくて…っ!!」
店員の一言で一気に赤みを増す閻魔の頬。
否定しておきながらも、先程よりも落ち着きはなくなっていて。その姿は店員にとってとても微笑ましいものだった。
「…では、会場へ向かいましょうか。」
「は、はい…」
ドレスを汚さぬよう、閻魔が転ばぬよう気を使って、控え室からさほど遠くない式場へ。
小さくも厳かな雰囲気を放つ部屋の扉を、店員がゆっくりと開けた。
「っ…!」
キラキラと輝くステンドグラスと照明に、閻魔は思わず目を細める。そんな中でもはっきりととらえた、ただ一人ともにありたいと願った彼の姿。
気恥ずかしそうに慣れないタキシードに身を包んで、こちらを振り返っていた。
「おに、お…く」
声が掠れてうまく言葉を紡げない。何を言っていいのか、どうしたらいいのかさっぱり分からなくて、閻魔はその場に立ちすくんでしまった。
「…やっぱり似合いますね。すごく綺麗です。」
鬼男は立ち尽くす閻魔の傍に寄り、全体を見てから嬉しそうに微笑んでそう言った。
胸元からウエストの部分に散らされたビーズの刺繍と、それによって際立つ白い肌。布が重なるようにしてひだを作り、広がっていく裾。
一見シンプルなデザイン・スタイルだが、腰の辺りで白を邪魔しない程度の薄いクリーム色のレースで作られたリボンと、ポイントとして後ろにやはり薄いクリーム色で作られ付けられた花が閻魔の雰囲気にとても合っていた。
「ホントに…?」
鬼男の言葉で恥ずかしそうに俯きつつも、閻魔は上目遣いで様子をうかがうように問いかけてくる。
やはり普段着慣れないものは、誉められても不安らしい。
「本当ですよ。やっぱりシンプルなデザインの方が髪や瞳が映えますね。…お前は誰よりも綺麗だよ、閻魔。」
「っ…!」
頬に軽く触れて、鬼男は恥ずかしげもなくそんなことを言う。
閻魔はただ顔を真っ赤にすることしかできなかった。
「では、我々は退散しますので写真を撮れるようになったらお呼びください。」
閻魔を連れてきた店員はそう言って一礼すると、他のスタッフに目配せして部屋を出ていった。
「え、っと…?」
それを合図に準備を終わらせた他のスタッフたちも部屋を出ていくので、閻魔は少し戸惑ったように鬼男を見上げる。
鬼男は閻魔を撮影予定場所にエスコートしながらいたずらっぽい笑みを浮かべた。
「当初の目的は二人きりの結婚式だろ?」
「あっ…」
鬼男に言われて閻魔は思い出したように声を漏らす。忘れていたわけではないが、わざわざスタッフを外に出すと言う考えはなかったのだ。
「…大王。」
「っ、」
ステンドグラスの光がちょうどきれいに当たる位置で立ち止まった鬼男に、真剣みを帯びた声で低く名前を呼ばれ閻魔の体が緊張したように動きを止める。
「僕は一生大王の傍にいます。大王以外考えられないくらい、アンタが愛しくてたまらない。でも…嫌なことがあったり、不安や不満があったりしたらちゃんと言ってくださいね。お前の幸せそうな笑顔が、僕は一番好きだから。」
改めて言葉にされた愛の告白。ちょっと格好つけているような所が鬼男らしくて、閻魔は思わず笑ってしまった。
「人が真面目に思いを口にしたのに笑わらないでくださいよ。」
閻魔の態度を見て恥ずかしくなったのか、鬼男が少し怒ったように言う。
「えへへ、ごめんね?なんか、すごく…嬉しくって。え、と…鬼男、くん…」
「はい、何ですか?」
恥ずかしそうにはにかんで、鬼男を呼ぶ閻魔に鬼男は期待するような眼差しとともに返事をする。
【終】
―――――――――――
なんだかびみょーな終わり方です。
閻魔にウェディングドレスを着せるために書き始めたはずなのに、なんだか長い上に着る時間が短く、表現もあまりないって言う…。
スカイプで色々衣装について意見をくれた方々、ありがとうございました!しかしあれは、これではなく別パターンの話です。書き切れるかどうか正直分からないくらい行き詰っているので、書けなかったらすみませ(殴
とりあえずは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
「えっと…俺も、君が一番…大好きです。楽しいときも、嬉しいときも…悲しいときも辛いときも、いつだって…どこでだって君と一緒に居たい。泣きたいときは、君の腕の中で泣きたい。俺が幸せになるには、君が…鬼男くんが、隣にいることが…絶対条件、で…こんな俺、だけ…ど…俺、は…っ、」
鬼男と同じように思いを言葉にしていた閻魔は、話していくうちにだんだん俯いていき、声が震えて言葉に詰まってしまった。ぽたり、と光に照らされて輝いた雫が落ちる。
「大王…?」
不思議に思って鬼男が様子をうかがうように声をかけると、紅玉を濡らして閻魔は顔を上げた。次から次へと光る雫で頬を濡らす閻魔は、不安に満ちていて。
「俺はっ…こんな性格、だよっ…?言葉、づかいだっ、て…服装だって、女らしくないっ、よ…?鬼男くんは、すごく素敵じゃないかっ…!俺、はっ…鬼男くんのこと、大好きだし…ずっと、ずっと一緒に、居たいけど…っ、おに、おくんっ、は…鬼男くん、は俺じゃなくたって、いい子、いっぱい居るんだよっ…?」
結婚式はしなくていいと言っていた、閻魔の密かな理由だった。ただ2人で暮らしているだけなら、嫌になって出ていっても引き止められない。
けれど、結婚してしまったら…?例え、形だけのものだとしても、やっぱり結婚式は結婚式。一生を誓い合ってしまったら、恋人から夫婦という拘束力の強いものになる気がして。
閻魔は思いを口にして、改めて本当に結婚式なんだと実感したら、喜びよりもそんな不安が生まれてしまったのだ。
「…大王よりいい人なんて、居ませんよ。僕は、大王と一生一緒に居たいんです。大王の隣で、一緒に笑って…たまには泣いて、たくさんの気持ちを分かち合いたいです。」
ふ、と軽く息を吐いて鬼男は閻魔の目尻に触れながら答える。
閻魔はいまだに肩を震わせて、鬼男を見上げた。
「俺で、いいの…?」
「バカ、違うよ。僕は、お前がいいんだ。お前じゃなきゃ、嫌なんだよ。」
閻魔の問いかけに訂正を入れ、そのまま優しく抱き寄せる鬼男。閻魔は鬼男の胸に顔を埋めてギュッと手を握り締めた。
「俺と一緒に、幸せになって…くれますか…?」
胸に顔を埋めたまま、少しくぐもった声で問いかける閻魔。鬼男は閻魔を体から軽く離して頬に手を添えると、強い意志を持って射抜くように閻魔を見つめた。
「当たり前だろ。2人一緒に居れば、いくらでも幸せになれますよ。…愛しています、大王。」
「ん…」
ゆっくりと、確かめるように触れるだけの軽い口付け。誓いの余韻を残すようにゆっくりと離れて、そのまま抱き合う。離れるのが惜しいくらい、今の鬼男と閻魔は満ち足りていた。
「ありがとう、鬼男くん。」
「こちらこそ、ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いしますね。」
腕の中で閻魔が言うと、鬼男もくすっと笑って答える。すると閻魔は甘えるように鬼男にすり寄って、「ねぇ…」と声をかけた。
「写真撮り終わって…家、帰ったらさ…」
「はい。」
鬼男が続きを促すように返事をすれば、閻魔は少し恥ずかしそうに上目遣いで鬼男を見上げて。
「結婚初夜…しよっか。」
「しょっ…!?なっ、バッ…あんた何考えてんだっ!」
閻魔の思いも寄らぬその発言に、鬼男は思わず閻魔を離して真っ赤な顔で声を張り上げた。
「ダメ、かな…?俺、もっと鬼男くんを感じたいよ。」
「…せめてこういうところだけは、女らしく恥じらいってもんを持って欲しいんですけど。」
首をかしげて誘うような発言をする閻魔に、鬼男は自らの目元に手を当ててため息混じりに呟いた。途端にムッとした表情で不機嫌になる閻魔。
「女らしくってなんだよ!こういうのに性別は関係ないじゃん!女らしくとか、男らしくとか…そういう言葉、大っ嫌い!」
「えぇ、分かってますよ!分かってますけどね、お前今のタイミングでそれはないだろこの大王イカ!」
「大王イカってまた言う!?俺はイカじゃないって何度言えば分かるのさ!!」
先ほどまでの真剣な誓いも、甘い雰囲気もどこ吹く風で。
結局写真はお互い不機嫌なままでの撮影となってしまった。しかしこれもまたいい思い出だと、笑いあうのだろう。鬼男のタキシードも、すごく似合っていたからと言って帰り際に買い取ってしまったこの2人なら。
【終】
―――――――――――
なんだかびみょーな終わり方です。
閻魔にウェディングドレスを着せるために書き始めたはずなのに、なんだか長い上に着る時間が短く、表現もあまりないって言う…。
スカイプで色々衣装について意見をくれた方々、ありがとうございました!しかしあれは、これではなく別パターンの話です。書き切れるかどうか正直分からないくらい行き詰っているので、書けなかったらすみませ(殴
とりあえずは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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この記事へのコメント
--無題--
はじめまして。でしょうか…?
星 無月(せい むつき)と申します。
実は、少し前から覗いては読んでいました。
いわゆるstkです。←
ものすごく砂糖吐きました!
そして、今は砂糖を吐きつつ、満面の笑顔ですw
もう…閻魔かわいい。鬼男くん、かっこいい。
素晴らしいですね!!
良い小説をありがとうございました!
星 無月(せい むつき)と申します。
実は、少し前から覗いては読んでいました。
いわゆるstkです。←
ものすごく砂糖吐きました!
そして、今は砂糖を吐きつつ、満面の笑顔ですw
もう…閻魔かわいい。鬼男くん、かっこいい。
素晴らしいですね!!
良い小説をありがとうございました!
コメントありがとうございます!
初めまして~…とか、言いつつ私も星 無月さんのブログを密かに拝見しておりました。すみません。(^^;
こんなグダグダなブログ小説サイトをstkしてくださり、ありがとうございます!
砂糖を吐いていただき恐縮です。某RさんとAさんのブログのイラスト等を見て衝動的に書き出したものでして、何も考えずに書いていたためこんなに長い話に…orz
楽しんでいただけたなら幸いです。読んでいただきありがとうございました!
初めまして~…とか、言いつつ私も星 無月さんのブログを密かに拝見しておりました。すみません。(^^;
こんなグダグダなブログ小説サイトをstkしてくださり、ありがとうございます!
砂糖を吐いていただき恐縮です。某RさんとAさんのブログのイラスト等を見て衝動的に書き出したものでして、何も考えずに書いていたためこんなに長い話に…orz
楽しんでいただけたなら幸いです。読んでいただきありがとうございました!
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