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「告白」で太子受け
2009/10/21 21:20:24
大変だけど、ちょっと楽しくなってきたので続けてみる。
発想力・想像力・創造力に乏しいので似たような話になってたらすみません。
そんなわけで今回は
妹太
曽太
芭太
閻太
鬼太
の順で行きます。初の試みばかりだ…
妹太
「お、このおにぎりうまま!」
太子のいつもの突然の提案によりピクニックにやってきた太子と妹子。
普段は嫌がる妹子だが、今日は違った。
嫌な顔をしつつも時間を作り、太子の希望通りの弁当を作ってやってきた。理由は簡単。いつまでたっても気づかない太子に、はっきり好きだと伝えるためだ。
「…好きですよ。」
おにぎりを食べている太子に、妹子は自分の食べている手を止めて思いを告げる。
太子はそれを聞いて満面の笑みを浮かべると
「お、妹子も好きか!やっぱ妹子はツナが好きなんだな~。」
見当違いの返答をしてきた。
思わずがっくりと肩を落とす妹子。
「よし、そんな妹子におススメなのはこれだ!私が作ったんだぞ、ありがたく食べろ!」
しかしそんな妹子に気づかず、言いながら太子が差し出したのは自分が食べていたツナカレーおにぎり。好きなものを合わせてみましたといわんばかりの具だ。
言葉で伝わらないのなら、行動で表してみようか。
「そうですね、いただきます。」
おにぎりを持つ太子の手を掴んで言うと、妹子はそのままぐいっと彼を引っ張って口の端についていたご飯粒を口付けでとってやった。
「…好きです、太子。」
唇を離して至近距離で目を合わせて二度目の告白。
「妹子…」
「なんですか?」
やっと伝わったか、と思って聞き返す妹子。
「そんなちょっと舐めたくらいじゃ好きな味かどうかわからんだろう!嘘をつくな!」
わざと気づかない振りをしているのか…?妹子は本気で頭を抱えたくなった。
「…ったくもう、鈍すぎにもほどがありますよ!」
「ぅおあっ!?」
深呼吸を一度した後、腕に力をこめて太子をそのまま押し倒す。突然のことに反応できず、声を上げてあっけなく地面に背中をつける太子。
「おにぎりの話じゃありません。太子、あんたのことが好きだって僕は言ってんです。ずっと前から、太子のことを愛してるんです。…この気持ち、受け入れてくれますか?」
「…っ!!」
真っ直ぐ太子を射抜くように見つめて、本日3度目の告白。
今回はちゃんと届いたらしく、太子はかぁっと顔を真っ赤にした。
―――――――
曽太
「曽良って、私のこと好きだろ。」
「…は?何を言っているんですか。自惚れも大概にしたらどうです。」
何の前触れもなく唐突に言い出した太子に、曽良は眉根を寄せて返した。
しかし太子はふふん、と得意げに笑って
「そんなこと言ったって私には分かるぞ。お前は私が好きなんだ。」
びしっと曽良に指を突きつけた。
「その自信はいったいどこから来ているのでしょうね。」
突きつけられた指を軽く叩き落としながら、ため息混じりに答える曽良。
太子は落とされた指を少し不満げに見つめてからパッと顔をあげた。
「空気がな、優しいんだ。どんなに口で酷いこと言われても、叩かれても、目を見れば分かる。嫌われてるわけじゃないって。好かれてる相手の傍にいるのは安心するよな!」
幸せそうにニコニコと笑みを絶やさずに話す太子を見て、曽良もさすがに呆れ顔で。
「…くだらないたわ言ですね。実際に言われたわけでもないのに、良くもまぁそこまで自信が持てるものです。」
そう…曽良は一度だって太子に好きだと言ったことはない。
曲がりなりにも摂政という地位についているのだから、観察力や人を見る目はあるのだろうが…曽良は好きだという態度を見せた覚えもないのになぜここまで自信満々なのか疑問だった。
太子が、まるでいたずらっ子が自分のいたずらを話すようにふふんと得意げに笑う。
「好きと言われたことはないけど、嫌いと言われたこともないからな。」
それにお前、嫌いな奴はとことん無視するだろう?
太子の言葉に、曽良は内心舌打ちした。普段はアホでカレー臭いだけのくせに…どうしてそういうところにはきちんと気づいているのだろうか。
「まったく…本当に幸せな思考回路をしてますね、貴方は。」
「うわっ、た…!?」
言いながら、曽良は太子の腕を引いて自分の方に引き寄せた。
予想していなかった曽良の動きに、太子は抵抗なく曽良の胸に倒れこむ。
「え、ど…どうしたんでおま?」
戸惑う太子をギュッと強く抱きしめて、曽良は口を開いた。
「大変不本意ですが…貴方の言うとおり僕は貴方のことが好きですよ、太子さん。」
―――――――――
芭太
トン、と背中にかかる重み。振り返らなくても分かる、カレーの匂い。
「どうしたの、太子君。何かあった?」
こういう時、太子は顔を見られるのを嫌うことを知っているので、芭蕉はあえて振り返らずに問いかける。
すん、と鼻を鳴らす音。…泣いてる?
「芭蕉さん、は…私のこと、好き…だよね…?」
震えた声でギュッと芭蕉の着物を掴む太子。太子は時々、何があるというわけでもないのに精神的に不安定になる。
普段ふざけて、アホな態度を取っていても、やはり摂政としての仕事や周囲の重圧があるのかもしれない。芭蕉以外には見せない、太子の弱さ。
「うん…好きだよ。頑張ってる太子君も、遊んでる太子君も、こうやって私に甘えてくれる太子君も私は大好き。」
ふっ…と柔らかく笑って、かみ締めるように言い聞かせるように優しく芭蕉は言った。
かすかに太子の肩が震える。
「大丈夫。太子君がいっぱい悩んで、考えてることをを私はよく知ってるし、それが大変だってこともね。遊んで息抜きはしてるけど、みんなには本当に辛い姿は見せないようにしてることもみーんなお見通し。…そんな太子君だから、私は好きになったんだしね。」
「っ…」
太子が息を詰める音と一緒に、芭蕉の背中にじわりと濡れた感触。
「そばにいるよ。太子君が辛いときは、松尾が支えてあげちゃう!だからね、無理しなくていいんだよ。太子君は太子君のまま、思うようにすればいい。私はずっと大好きだよ。」
普段あまり言わない分、こういうときに芭蕉はここぞとばかりに太子に思いを告げる。不安定なときにストレートにはっきりと言われる告白に、太子は何度も救われ、安心していた。
「芭蕉、さん…」
「なぁに、太子君。」
太子が背中から離れたので今度はちゃんと振り返って聞き返す。太子はごしごしと目をこすってからパッと顔を上げて、
「私も、芭蕉さんのこと大好きだぞ!」
目元の赤みも気にならないくらい眩しい笑顔でそう言った。…うん、もういつも通りだよ。
――――――――
閻太
「えーんまー!」
「うわっ、と…なになにー?どうしたの太子?」
声とともにがばっと閻魔に飛びつく太子。
閻魔は突然のことに驚きつつも踏みとどまってニコニコ笑いながら問いかける。太子もにっこり満面の笑みを浮かべた。
「大好きだぞ、閻魔!!」
告白とともにぎゅーっと大使は閻魔に強く抱きついてすり寄る。閻魔はそんな太子に負けないくらい強く抱きしめて、頭をくしゃくしゃと撫でた。
「ありがと、太子。俺も愛してるよ。」
「私だってずーっと閻魔に恋してるんだからな!忘れんなよ、コラァー!」
腕の中で騒ぐ太子にくすくすと笑って、チュッと額に口付ける。
「うん、知ってる。ちゃんと覚えてるって。あー…このまま太子のこと持ち帰りたいよ。」
閻魔が呟くと、太子はきょとんとした表情を見せた。
「毎日会いに来てるじゃないか。」
「んー…そうなんだけどさ。それじゃあ、足りないんだよね。」
言いながら頬にかかった髪を払って太子と額をあわせ、息がかかるくらいの至近距離。
「太子には俺以外誰も…何も映さないで、俺だけをずっと見てて欲しいんだよね。どこにも行かせないで、俺の世界に閉じ込めちゃいたい。」
妖しく光る赤い瞳。好きで好きでどうしようもなく、いつか抑え切れなくなりそうな衝動。しかし…
「それは困る。」
「あら?」
太子はそんな閻魔の雰囲気を全くキャッチせずにはっきりと告げた。さすがの閻魔も拍子抜け。
「だって、私が閉じこもっちゃったら閻魔に色んな話が出来なくなるじゃないか。閻魔が私の話楽しく聞いてるの、知ってるんだからな。私は閻魔とたくさん話をしたいんだ。閻魔のこと、大好きだからなっ!」
それはつまり、閉じ込めなくたって太子は閻魔のことしか考えていないということで。閻魔のために景色を見て、閻魔のために色んなものを感じ取って、閻魔のためだけに語る。太子の全ては、大好きな閻魔中心に動く。
「まったく…太子にはかなわないね。」
「ふっふー、何てったって私は摂政だからな!すごいんだぞ!」
閻魔の言葉の意味を理解しているのかいないのか。得意げに、まるで自慢するように太子は答えた。
「うん、太子はすごいよ。…俺にはもったいないくらい。」
太子から少し離れて自嘲的な笑みを浮かべる閻魔。この光を自分だけのものにしているというちょっとした罪悪感。
それに気づいたのか、太子が手を伸ばして閻魔の頬を両手で包んだ。
「でもな閻魔。私は閻魔じゃなきゃ…閻魔がいなきゃ嫌だ。ずっと、閻魔と一緒がいい。」
「…可愛いこと言ってくれるね。襲っちゃうよ?」
太子の言葉に閻魔は一瞬ぽかん…とした後、妖艶に微笑んで問いかけた。太子はやっぱり無邪気に笑ってみせる。
「閻魔にならいいぞ。どんとこいだ!」
「ムードも何もあったもんじゃないなぁ…。でも、ま…その方が太子らしいか。…愛してるよ、太子。ずっと、そばにいてね。」
「閻魔こそ、私から逃げるなよ?」
頬に触れる太子の手に自分の手を重ねた閻魔に、太子は少し真剣な目をして言った。
「その言葉、そっくりそのまま返すよ。」
まぁ、要するにお互い好きすぎてしょうがないってことなんです。
―――――――――
鬼太
「太子…」
2人きりの部屋。鬼男が意を決した様子で太子に声をかけた。
「んー?どした、鬼男。」
その声に反応して、本を読んでいた太子が顔を上げる。
「あ…」
鬼男は何かを言おうと口を開くが、音にならず言葉は出てこない。
「鬼男?」
鬼男の不自然な様子に太子も起き上がって首を傾げる。
「…悪い。なんでもない。」
結局鬼男は目を逸らしてしまった。
たった二文字。それだけなのになぜ言葉にならないのか。
「何だよー、言いたいことがあるならはっきり言うでおまっ!」
鬼男の態度に太子は不満げな表情で続きを促す。
「うっ…あー、だから…そのっ…!」
「うん、何だ?」
言いたい。この思いを言葉にしてちゃんと太子に伝えたい。そう思っているのに、やっぱり喉の辺りにつかえて二文字は出てきてくれない。けれど…いい加減、伝えないと。
太子も続きを待って、じっと鬼男の方を見つめている。…言うタイミングとしては最適だ。
「あの、な…太子…お前が、す…っ」
「…っ」
黙って鬼男の言葉の続きを待つ太子。見つめる瞳には期待が見え隠れしていた。
「す…す、き…っ、すき焼き!すきやきっ…食べたく、ないか…?」
あぁ、まただ。
苦しすぎるごまかし方でぶち壊し。
言いたいことは分かるだろうに、太子は鬼男のその問いかけのまま、んー…と悩んだ態度を見せて答えた。
「どうせ食べるなら、すき焼きよりカレーの方がいいぞ!」
「…あぁ、聞くまでもなく知ってる。」
鬼男は自分の情けなさに内心ちょっと泣きたくなりそうになって、言いながらしゃがみこむ。ひざに顔を埋めて、反省と後悔の嵐。
「なぁ…鬼男?」
「…なんだよ。」
様子をうかがうように名前を呼ばれ、鬼男は少し顔を上げて目だけ太子に向ける。太子も同じように鬼男の目の前にすとん、としゃがみこんだ。
「私は鬼男のこと、大好きだぞ。だから鬼男に触れたいし、触れてもらいたい。…鬼男は違うのか?」
好きなら私に触れてみろ。まるでそう言うようにじっと鬼男を見つめる。いつものように笑っているくせに、瞳は妖艶さを醸し出して鬼男を誘っていた。
「たい、」
「言葉じゃ難しいなら、態度で見せてみろ。鬼男は、私のこと嫌いなのか?」
太子のその色気に、湧き上がる欲望。それを抑えようと、自分を落ち着かせる意味もこめて名前を呼ぼうとした鬼男の声を、唇に人差し指で触れることで遮った太子は、言って妖しい笑みを浮かべる。
――抑える必要なんてないんだ。思いっきりぶつけてみろよ。
それを合図にしたかのように、鬼男の目の色が変わった。
「っ…!」
唇に触れていた太子の腕を強く引いて、無防備な唇に勢いのまま噛み付くように口付ける。重なり、絡み合う唇と舌から鬼男の思いが伝わってくるような気がした。
「っ、は…ぁ…っ」
「迂闊に僕を誘うと、太子の体力が持たないぞ。」
情欲を宿した鬼男の熱い瞳は、誰よりも…何よりも雄弁に、太子への愛情を語っていた。
―――――――――――
まずは、読んでくださりありがとうございました。そして、お疲れ様でした。
「告白」で太子受け…予定外が多すぎました。
決めてたのと全然違う動きをしてくれる攻めの方々に書いてる自分が一番驚いてました。キャラ崩壊もここまで行くともう別の話ですね。すみません。
特に酷かったのは天国組ですね。
閻太は友達の延長みたいなイメージだったのに、なぜか閻魔に監禁願望。
鬼太はヘタレな鬼男くんにするつもりが、誘い受け太子と昼と夜で性格違う感じの鬼男くんに…orz
反省点がたくさんあるのですが、それでも最後まで読んでくださりほんとうにありがとうございました!これからも日々精進していきます!
「告白」で妹子受け
2009/10/03 22:18:46
気分転換というかリハビリというかww
キャラ崩壊が…orz
最初に受け子に選ばれたのは、みんな大好き小.野妹.子さん!
単純に一番最初に全員のネタが浮かんだだけです。←
太妹
曽妹
芭妹
閻妹
鬼妹
の順で行きます。
仕方ねぇな…読んでやるよ。という寛大なお方はどうぞ追記から。
太妹
「あっ、妹子!こんなところにいたのか!」
妹子が書庫で調べ物をしていると、不意にそんな声が聞こえた。
思わず内心で舌打ちする。
「…何か用ですか、太子。また仕事もせずにふらついて。」
顔を上げなくても誰かは分かっていたので、調べ物を続けながら妹子は問いかけた。入り口から、だんだんと近づいてくる気配。
「っ…!?」
突然後ろから手が伸びてきて、背中に温かいものが触れる。そして、強くなるカレー臭。
「今日はちゃんとしてたんだぞ?でも、途中で無性に妹子に会いたくなってな。」
「それ、で…まさか、仕事放り出してきたんですか?」
ギュッと抱きしめられる感覚と耳のすぐ近くで鼓膜を揺らす低い声に、ドキドキと存在を主張し出す妹子の心臓。
「だって、妹子に会いたくなったらもう仕事どころじゃなくなっちゃったんだもん。」
「なっ…仕事しろバカ!…というか太子、いつまでくっついてるつもりですか。僕、調べ物してたんですけど。」
甘えるように妹子の髪に顔を埋めてくる太子にいつもどおり返す妹子だが、調べ物のことが過去形になっている時点でもうすでにその気はないことがありありと伝わってくる。
「調べ物なんていいよ。私、妹子から離れたくない。妹子だって、もうそんな気分じゃないだろう?」
妹子を抱きしめる太子の腕の力が強くなる。
「うっさい、離れろアホ太子。」
「好きだよ、妹子。私もう、妹子なしじゃ生きていけない。それくらい、お前に惚れてる。」
口だけでは拒む妹子に、太子は熱のこもった声で囁いた。
「っ…ほんとバカじゃないですか、太子。死んでください。」
妹子は顔を真っ赤にして毒を吐き、胸の前で組まれた太子の腕にそっと自らの手を添えて太子にもたれかかった。
―――――
曽妹
「あ、曽良!見て!日の光が、すごく綺麗だよ。」
雲のない青空から照らす日の光が、生い茂る常緑樹の葉の隙間からたくさんの筋となって地上に降り注いでいた。
その様子がまるで光のカーテンのように見えて、妹子は言いながら目の前を指差して後ろを振り返る。
「そうですね。でも、この風景をバックにこちらを振り返る妹子さんの方が何倍も綺麗です。」
「へっ!?え、ちょ…っもう!やだなー、曽良!変なこと言わないでよ。」
表情一つ変えずにサラッと言った曽良に対し、予想外の返答に慌てふためいた様子で言い返す妹子。
曽良は開いていた距離を縮めると、指通りの良い妹子の髪を梳くように撫でて柔らかい頬に手を添える。
「好きだから余計に、というのもあるのかもしれませんが…それを抜きにしたって、先ほどの妹子さんは本当に、とても綺麗でしたよ。」
「あ…え、っと…」
ふざけるでもなく、かと言って照れたり微笑んだりするわけでもなく、ただ真剣に真っ直ぐ妹子の目を射抜いて曽良は言うものだから、妹子のほうがどう反応したらいいか分からずに視線を戸惑ったようにさ迷わせる。
「大好きですよ、妹子さん。僕はいつだってあなたのことばかりを考えて…あなたに恋をしています。」
「そ、ら…」
抵抗もなく、ごく自然にそんなことを言う上に、それがやけに似合っているように思えるからいけない。
妹子は頬に触れる曽良の手に自分の手を重ねると曽良を見つめてはにかんだ。
「僕も…好き、だよ。曽良…」
「えぇ。よく知っています。」
――――――
芭妹
「そういえば…芭蕉さんは、その…なんで僕のことを好きになったんですか?」
2人でのんびりお茶を飲んでいるとき、妹子が不意に思い出したように問いかけてきた。
芭蕉は妹子の何の前触れもない質問にびっくりしたように動きを止めてから、すぐに柔らかく微笑んで飲んでいたお茶を机に置いた。
「私、妹子くんのこと不安にさせちゃってたかな?」
「あ、いや別にそういうわけでは…。ただ、どうしてかなって…何となく思って。」
告白したのは妹子から。すぐに芭蕉からも「好きだよ。」という返事が来て嬉しかったのだが、恋人同士となっても特別何かするわけでもなく、以前のようなただの茶飲み仲間みたいなこの状況に不安が全く無かったと言ったら嘘になるけれど。
「最初に惹かれたのはね、君の瞳だったんだ。強い意志を持って、炎を宿したみたいな瞳。」
「瞳…。」
芭蕉は穏やかに微笑んだまま思い出すように、かみしめるように語りだした。妹子も思わずお茶を飲む手を止めて話に聞き入る。
「次に行動力とその髪かな。こうと決めたら即実行して、それなのにスムーズに事を運んじゃうし。そのときに気づいたんだけど、動くたびにさらさら揺れるその髪もすごく綺麗だなぁって思って。」
「そんな…っ、僕はいつもいっぱいいっぱいですよ!」
「そう。君は時々頑張りすぎちゃって、立ち止まったり落ち込むことがるよね。そのときの姿は、守ってあげたい、私に頼ってもらいたいって思った。…妹子くんが辛いときは、誰よりも私が傍にいてあげたい。」
照れたのを誤魔化すように目の前で両手を振って、妹子は芭蕉の言葉を否定するがそれすらも上手く拾って芭蕉は語りを続けた。
「それから、顔と表情。妹子くんって表情がよく変わるでしょ?毎日見てると飽きないし、その中には初めて見るものや私だけに向けられる表情もあって、それを見つけるたびに、なんだか幸せな気分になるんだよね。あとは、妹子くんの体の」
「あの!芭蕉さん、もういいです!聞いてて恥ずかしくなってきました!」
あまりに芭蕉が自分を褒めるものだから妹子は聞いていて恥ずかしくなってしまい、顔を真っ赤にしてまだまだ続きそうな芭蕉の言葉を遮った。
まさかこんなに思われているとは思わなかった。
「そう?まだまだたくさんあるんだけど…まぁ、とにかくね。私は、妹子くんが妹子くんだから好きになったんだよ。妹子くんの外見も声も、性格も、話し方も…言うならば妹子くんの全てが好きなんだ。」
ひょっとしたら、君以上に君を思ってるかもよ?と得意げに付け足す芭蕉。
「ありがとう、ございます…」
恥ずかしそうに俯いて、妹子は小声で芭蕉に礼を告げた。
「ドゥ?不安は無くなった?」
「は、はい…。あの、すごく嬉しかった…です。」
机にひじを突いてくすくすと笑いながら芭蕉が問いかければ、やはり俯いたまま妹子は答えた。
―――――――
閻妹
「いもちゃんって、可愛い顔してるよねー。」
「喧嘩売ってるんですか。」
作業している妹子の横顔を机に懐きながら見ていた閻魔が、ニヤニヤしながら呟いた。
「やだなー、褒めてるんだよ。俺は好きだよ?いもちゃんのかーわいいそのお顔。」
「馬鹿にされてるようにしか聞こえないんですけど。」
女みたいな名前、女みたいな顔つき。可愛いと言われることは妹子にとって嬉しいことではなかった。それでも閻魔は何かにつけて妹子に可愛いと言ってくる。
「怒ってるいもちゃんも可愛いね。俺、ホントいもちゃんのこと好きだなー。ねーねー…セーラー着てみる気、ない?」
「っ、いい加減にしてください!!」
バンッ、と妹子は目の前の机を叩いた。
「何なんですか!人の気にしてることをからかうように!アンタはいつもそうだ、僕の言葉も気持ちも全然考えない!僕のことが嫌いなら遠まわしな嫌がらせしないで嫌いって言えばいいじゃないですか!!」
自分ではどうしようもないことを毎日のように言われるのが悔しくて、妹子は泣きそうに顔を歪めて声を張り上げる。鼻の奥がツンと痛くなって、視界が滲んできた。
「…何言ってんの?俺は妹子のこと、大好きだよ。毎日そう言ってるじゃない。」
妹子の言葉に閻魔は机から体を起こして先ほどとは打って変わって真面目な顔で告げた。
「好きすぎて、何話したらいいか分からなくてさ。ごめん、そんなに傷つけてると思わなかった。でも、俺は妹子が好きだよ。他の誰よりも俺が妹子のことを愛してるって、自信持ってはっきり言える。」
妹子の頬を伝う涙を見て妹子のそばに移動した閻魔は、それを拭いながらなおも言葉を続ける。
「っ…」
いきなり真面目な顔で、珍しく呼び捨てで告白されて喜びと羞恥で一気に赤面する妹子。
「だからさ、俺のこと…嫌わないでよ。俺、いもちゃんしか考えられないんだから。」
閻魔は妹子の背中に手を回して、まるで離さないとでもいうように強く抱きしめた。
―――――――
鬼妹
「おっ…鬼男!」
「ん?どうした、妹子。」
作業をしていた鬼男に、妹子が声をかけてきた。鬼男はその声に作業を止めて顔を上げると、柔らかい笑み浮かべて聞き返す。
妹子は恥ずかしそうに頬を染めて懐から何かを取り出して見せた。
「あの、さ…映画の、チケットが、ね…2枚、あるんだ…」
鬼男が以前観たいと言っていた映画のチケット。今度2人で見に行きたいねって話していたもの。
「お、これ…。何?太子か誰かと行ってくるのか?感想、聞かせてくれよな。」
映画のタイトルを見た鬼男は、ごく普通にそんなことを言って笑う。
「あ、いやっ…ち、ちが…っ」
「え、血!?妹子、怪我でもしたのかっ?」
妹子はその返答に焦ったように首を横に振って否定しようとするも、鬼男と一緒に行きたいなんて恥ずかしくて言えなくて、言葉に詰まった。
それを聞いて慌てた態度を見せ、妹子の腕を掴み引き寄せて体を確認し始める鬼男。
「うぁっ、違う違う!怪我してないから!血も出てないから!大丈夫!!」
突然近くなった鬼男との距離に妹子の心臓はもう爆発しそうなくらい高鳴っていて、声を張り上げて否定すると鬼男の体を押して離れた。
「…?じゃあ、何だよ?」
「いや、もういいです!うん、なんでもないっ!ごめんね、作業中に。」
妹子の行動の意味が分からないという姿勢で問いかけてくる鬼男に、妹子はこれ以上恥ずかしさに耐え切れなくなって、叫ぶように答えると背を向けた。
「いやいや、いいってことは無いだろ。」
「ぅわっ!?」
歩き出そうとしたところで腕をぐいっと強く引かれ、妹子は再び鬼男の腕の中。
「僕と映画、行きたいんだろ?まったく…もう一押ししてくれれば気づいてやったのに。」
「っ!お、鬼男…気づいてっ…!?」
くつくつと楽しげに笑って言う鬼男に、妹子は首だけで振り返って問い詰める。
「一緒に行きたいって言ってたチケット2枚見せられて、あんな顔で言われてるのに気づかない奴はいないと思うけど?」
「だ、だったら…なんで…」
知らない振りも、焦った態度も全部演技だったと分かると、やはり納得いかない。
自分の頑張りや羞恥はなんだったのかと言いたくなる。
「せっかく妹子が僕を誘おうとしてくれてるんだから、ちゃんと言ってくれるまで待とうかなって。そしたらお前、背中向けて帰ろうとしちゃうんだからちょっと焦ったよ。」
「だって!鬼男、ちっとも気づかないし…僕もあれ以上何かするなんて無理だったんだよ!」
「確かに今回は妹子にしては頑張ってたよな。チケット、わざわざ取ってくれてありがとな。今度、一緒に行こう?」
「う、ん…。」
頭をくしゃりと撫でて嬉しそうに笑う鬼男に、妹子は恥ずかしそうに俯いた。
「赤い顔、隠さずに見せろよ。恥ずかしがる妹子の顔、僕の好きなところのひとつなんだからさ。」
「っ…」
「首まで真っ赤で、すごく可愛い。…大好きだよ、妹子。これからもずっと一緒、な?」
―――――――――――――
無謀すぎた…。ダメだもう…だんだんキャラが崩壊していく…orz
CPによって長さが全然違ってすみません!長くなっているのは大抵話が浮かばなくてうだうだしたCPです。次は誰受けで書こうかな…(←まだやる気か
長々とお付き合いいただき本当にありがとうございました!
公園の歌姫は(ミケ×閻魔)
2009/08/26 20:13:13
黒さんとミケにゃんの結婚祝いその②
黒さんのリクエストでミケ閻です。
まさかのwww来たときびっくりしましたよ。
でも、なんだか残念な感じになりました。
ごめんなさい、黒さん…気に入らなければ書き直しますので…!
・ミケにゃんほんっとごめんなさい!!
・閻魔はなんだか乙女だよ!
・鬼男くんは…うん、ドンマイ
・なんか色々すみません!
読んでやるという勇者は追記から…
人気の無くなった公園に、最近閻魔は毎日のように仕事を抜け出して通っていた。
冥界から、公園の人目につかない木の上に降り立つ。
「あ…」
今日も、綺麗な歌声が響いている。
よく通る…歌うことを心から楽しんでいるような声。
「やっほー、ミケちゃん。今日も素敵な歌声だね。」
歌が終わったところで木の上から地面に飛び降りて、閻魔は声をかける。
振り返ったミケは、いつものように仕方ないなぁ…と言いたげな優しい目を閻魔に向けて口を開いた。
「また抜け出してきたの?鬼男くんが怒るよ?」
「うん、かもね。でも、せっかくミケちゃんが毎日ここで歌ってるのに、聞かないなんてもったいないと思って。」
ミケの言葉に苦笑して返し、言いながら閻魔はミケの隣まで歩み寄る。
その言葉にミケは照れくさそうにはにかんだ。
「やだな、ただ歌の練習してるだけだよ。」
「練習?どこかで発表するの?」
答えれば、首をかしげて問いかけてくる閻魔。
ここでは珍しい、ルビーのような紅い瞳と目が合う。
「あれば良いけど…今はただ、好きな曲を上手く歌いたいだけ。ミケは歌うのが好きだから。」
「うん。すごく楽しそうだもんね。でも…せっかく綺麗な歌声なんだから、どこか人前で歌えば良いのに。」
ミケが言うと、閻魔は残念そうに返した。
「いいの。他の誰が聞いてくれなくても、閻魔が聞いてくれるから。」
「っ…!」
ふわりと微笑んで言ったミケの言葉に、閻魔は頬を染める。
「…閻魔、顔赤いよ?風邪でも引いた?」
ミケはそんな閻魔を見て心配そうに問いかけ、額をくっつけて熱を測る。
ますます上昇する、閻魔の体温。
「うわ、熱い!これ大変だよ!閻魔、早く戻って寝たほうが…」
「ち、違うよ!違うんだ…その、ミケちゃんの言葉が…嬉しくて。」
閻魔の体温の高さに驚いたミケが慌てた様子で言うと、閻魔はパッとミケから離れて恥ずかしそうに小声で返す。
「え…?」
「俺が聞いてるから、なんて…言う、から…」
俯き、頬を染めて上目遣いに聞こえるか聞こえないかぐらいの声量で言う閻魔。
そんな閻魔が可愛く思えて、ミケは閻魔をギュッと抱きしめた。
「っ…!え、え…っ、と…ミ、ミケちゃん…?」
「ごめん、閻魔がすごく可愛く見えてつい…」
戸惑った様子で声をかける閻魔に、ミケは謝りながらも先ほどより強く閻魔を抱きしめて、猫のように首に擦り寄る。
「大好き…閻魔…」
「ぅひゃっ!ミ、ミッ…ミケちゃん!耳はダメだってこの前俺、言ったよね!?」
耳元で囁いて、ミケがペロッと閻魔の耳を舐めると、閻魔は声を上げて飛び跳ねた。
「だって、閻魔が可愛いんだもん。」
真っ赤になる閻魔を見て悪戯っ子のように笑ったミケは、悪びれた様子もなく答えた。
「可愛くないってば…。ミケちゃんのほうがよっぽど可愛いと思うけどなぁ…」
その笑みにやはり照れてしまって直視できず、抱き合ったままだということもあって閻魔は横目にミケをちらちらと見ながら呟いた。
「閻魔の方が可愛いよ。…ねぇ、閻魔?一緒に歌わない?」
少し硬めの閻魔の髪を指で遊ばせながら、ミケが言った。
「え…俺、歌なんて分からないよ?」
「ミケの歌、毎日聴いてたから閻魔も結構覚えてると思うよ。歌えるところだけで良いから。一緒に、歌いたい。」
困った目を向ける閻魔から離れて、安心させるようににっこり笑ってミケは続ける。
「うん、それでいいなら良いけど…」
いまだに戸惑った様子の閻魔に嬉しそうに笑いかけるミケ。
「じゃあ、歌うね。」
すぅっ…とミケが息を吸って、ここで歌うときは必ず最初と最後に歌うバラードの音を紡ぎ始めた。
閻魔が、ミケの声を…歌を、ミケ自身を好きになったきっかけにもなった曲。
「っ…」
つい、聞き入ってしまう。
遠く離れた相手に向けた想い…愛しさ、寂しさを歌った甘くも切ない歌詞とメロディーが、自分たちのようで。
歌いながら、ミケが誘うように閻魔に手を差し出した。閻魔はおもむろにその手を取り、同じように想いを音に乗せる。
2人の声が調和のとれた、綺麗な歌をつくりだした。
「…すごい。今、すごく綺麗だったよ閻魔!」
「うん。なんだろう…気持ちよかった…」
歌い終えてすぐ、ミケは感動の震えが止まらなかった。
閻魔もどこか放心した様子で返事する。
「閻魔、歌上手かったよ。私、びっくりしちゃった。」
「俺も、こんなに歌えると思わなかった。きっと、ミケちゃんのおかげかな。」
2人して褒めあって、なんだかお互い気恥ずかしくなって照れ笑いする。
「…そろそろ、帰らないといけないかな。鬼男くんも迎えに来るだろうし。」
赤から紺へのグラデーションを描く空を見上げて、ミケは呟いた。
「ミケちゃん。」
「ん?何?えん…っ」
不意に名前を呼ばれて閻魔の方を見れば、チュッと音を立てて頬に唇の感触。
「今日は…ありがとね。」
すぐに離れると背中を向けて礼を言う閻魔。
あからさまな照れ隠し。
「うん、こっちこそ…ありがとう、閻魔。」
嬉しくて、ミケは後ろから閻魔をギュッと抱きしめて同じように礼の言葉を述べる。閻魔も嬉しそうな笑みを浮かべて自分の胸辺りで組まれたミケの腕をきゅっと握った。そのとき…
「またここに来てたか。」
「っ!お、おに…っ鬼男くん!?」
「こんばんは、鬼男くん。」
鬼男がため息混じりに言いながら現れた。
慌てふためく閻魔をよそに、ミケは抱きしめたままの状態で、まるで見せ付けるように挨拶をする。
「こんばんは、ミケさん。…仲が良いのは分かるけど、そろそろこのイカ連れ帰って良いかな?」
「せめて大王つけて、鬼男くん…!それじゃ俺ホントにただのイカになっちゃう!」
苦笑して挨拶を返す鬼男に、閻魔は場違いにも呼び方の指摘をミケの腕の中でした。
「うん。ごめんね、いつも閻魔を独占しちゃって。」
ミケは何事もなかったように閻魔を離して、鬼男に笑いかける。
「いや、むしろいつも大王が練習の邪魔しちゃって…ごめんな。」
「そんなことないよ。閻魔、いつも私の歌褒めてくれるし。…じゃあ、閻魔。仕事頑張ってね。」
苦笑して謝罪する鬼男に首を横に振って返して、まだ「俺、イカじゃないのに…」などとブツブツ呟いている閻魔に声をかけた。
「ミケちゃんにそう言われたら、頑張るしかないね。今日は本当にありがとう。」
「ううん。私の方こそ。」
その声に反応してにっこり笑って挨拶を返す閻魔に、ミケも笑って応える。
「じゃあ、ミケさん。気をつけて帰ってくださいね。…ほらイカ!まだ仕事残ってんだから行くぞ!」
「だからイカじゃないってば!!ひっぱらないでよ、もう!じゃあ、ばいばいミケちゃん。」
鬼男に引っ張られながら手を振る閻魔。
「うん、バイバイ閻魔。大好きだよ。」
「っ…!うん…俺も、大好き。」
別れ際にミケが言うと、閻魔も恥ずかしそうに頬を染めて返し、鬼男と一緒に消えていった。
ミケはそれを見送ってから、嬉しそうに笑って家に向かって歩き出した。
【終】
――――――――――――
本気でごめんなさい!
ミケにゃんが…ミケにゃんがぁ…!
もっと可愛く書きたかったのに…。
こんなのしか書けなくて本当に申し訳ありませんでした!
それでもあなたが好きなんです(曽妹)
2009/08/20 11:56:39
夜桜さんのリクエストで曽妹!
ですが…なかなかに難産でした。
書きながら、
「なぜ曽良視点で書き始めた!?」とか
「妹子はもっとこう…なんかキャラ違うだろ!」とか
「曽良くんのSは芭蕉さん限定なんだよ!」とか
「デレデレカップルやないか!」とか
突っ込みを入れていました。
そんな曽妹。
ネタがかぶっていたらすみません。削除します。
「いつまでそうしているつもりですか。」
僕は、体操座りで小さくなってうつむく妹子さんの背中に声をかけた。
もうずいぶん長い間。彼は一言もしゃべることなく、ただじっと座りこんで地面を見つめている。…声が、聞こえないはずないのに。
「妹子さん…いい加減、返事くらいしてくれませんか。」
返事がないと、不安になる。
自分の声は…言葉は、このまま誰の耳にも、心にも届かず響くことはないのではないかと。
「妹子さん。」
以前は、そうやって不安を感じてもただ返事が返ってくるのをひたすら待ち続けた愚かな子供だったが、今は違う。
届いていることも知っているし、こんな時にどうすればいいのかも理解しているつもりだ。
「仕方ないじゃありませんか。誰だって、遣隋使のあなたが聖徳太子といつも一緒にいるなんておかしいと思います。」
「っ…!」
呼びかけるだけではなく、こちらから話題を振ると妹子さんはようやく肩を震わせて反応を示した。
それでもまだ顔をこちらに向けてくれる気はないようで、仕方なく僕は話を続ける。
「彼らだって人間です。おかしいと思ったら、それを解消しようとする。その中ではじき出された答えが」
「わかってます!」
僕の言葉を遮るようにして、妹子さんは声を張り上げた。
…天岩戸を開けるのは、さほど難しいことではない。
「わかってるんです。理屈も…その結果に至るまでの経緯も。でも…でも、納得したくないんです!」
口を開けばあとは簡単。
妹子さんは悔しそうにこぶしを握り締めて、溜めこんでいたものを一気に吐き出すようにしゃべり始めた。
そうなれば僕は、ただ黙って彼の話を聞くだけだ。
「納得、出来るわけがない…僕が、よりによってあんなカレー臭くてアホで変な太子と恋仲だなんて…!!」
「…きっと、彼らも疲れていたんでしょう。」
そう…太子さんが妹子さんを気に入っているのは確かだが、あくまでも上司と部下。もしくは友人、遊び相手といったところだろう。
それを、何を勘違いしたのか朝廷の人たちは妹子さんと太子さんの関係をそう噂していたらしい。
「冗談じゃないよ、もう!大体、僕はっ…」
妹子さんが言葉に詰まり、頬を染めた。
芭蕉さんや太子さんが同じように頬を染めた時は気色悪いと思ったが…
「僕は…なんです?」
「僕は…その…」
視線が宙をさ迷う。
そういう態度、表情にも勘違いされる要素はあると思うが、まぁ今は関係のないことだ。
「妹子さん…?」
続きを促すように名前を呼ぶ。
せっかくなら、彼の口から直接聞きたい。
「僕は…僕は、曽良のことが好きなんです。太子よりずっと、ずっと…曽良と一緒に、居たいんです。」
恥ずかしそうに顔を逸らしての告白。
なんとも妹子さんらしい。
「ありがとうございます。僕も、あなたのことは嫌いではありませんよ。」
それだけ返すと、ほんの少しだけ不満そうな気持ちを宿した瞳で僕を見る。
彼は本当に、僕好みの人間だと思う。
「どうかしましたか?」
「な、何でもっ…ないです…」
気づかぬふりでわざとらしく問いかければ、ハッとしたように目を逸らして嘘をついた。
そんなそわそわした態度で何でもないことないだろうに。
「嘘です。僕も…好きですよ。妹子さん。」
「っ!」
告白は、抱きしめて耳元ではっきりと。
一瞬驚いたように目を見開き、そのすぐ後には幸せそうな笑みを浮かべて僕の服を握り締めてくる。
「曽良は、ずるい…」
「そんなことはないですよ。問題があるとすればあなたのその態度です。」
妹子さんは僕の胸に顔をうずめて呟いたが、こんな態度を見せてくれると分かってて、僕は彼の思いどおりにする気は毛頭ない。
「態度って…!別に僕は特別何かしてるわけじゃ…」
「では、その普通の態度が僕を楽しませているんですね。」
密着した体を少し離して、妹子さんと目を合わせる。相変わらず僕と目が合うと照れるのか、もともと赤かったのに今度は耳まで赤くした。
僕と違って忙しなく変わるこの表情は、見ているだけでもこちらを楽しませてくれる。
「だっ…だから、楽しいとかそういう…」
「妹子さん。」
「っ…」
僕が頬に手を添えて、名前を呼んだらそれは合図。
妹子さんはいつものように戸惑った表情を見せてから、ゆっくりと躊躇いがちに目を閉じていく。
「愛しています、妹子さん…」
耳元で誓うように囁いてから、かすかに震える形の整った唇を奪う。
恥ずかしさから反射的に逃げようとする妹子さんの肩を抱いて、この口付けにあるだけの思いを込めた。
「そら…」
触れ合うだけで唇を離せば、物足りないと言いたげに名前を呼ばれる。
それに応えるように再び唇を重ね合わせるが、与えるのはまた子供のような軽い口付け。
「ん…」
当然妹子さんは物足りなくて、僕の首に手を回して舌を差し出してきた。
それでも僕が反応を示さないと、ムキになって僕の舌に絡ませてくる。
恥ずかしがり屋のわりに、この大胆さは反則だとは思うが、それもまた彼の魅力であると言える。
「っ!…ん、んぅ…っふ…ぁ…」
そこまで来てようやく僕が動き出せば、とたんに彼はそれに身を任せて感じるに徹する。
いちいち僕の好みを突いてくる人だ。
「は、ふ…」
「満足いただけましたか?」
潤んだ瞳でこちらを見る妹子さんに、僕にしては柔らかい表情を見せて問いかける。
「…まだ。」
「あなたは本当に口付けが好きですね。」
物欲しそうに首を振る彼に苦笑して、再び唇を重ね合わせる。
…僕としては、もうそろそろ先に進みたいところだけれど。
「んっ…そら…」
唇を離してすぐ、幸せそうに微笑んで甘えるように名前を呼ぶから、僕はついつい先に進むことをためらってしまう。
「そろそろ、帰りましょうか。暗くなってきましたし…」
妹子さんから離れて、空を見上げる。
「あ…そっか。もうそんな時間かぁ…」
同じように空を見上げて、明らかに声のトーンが落ち込んだ。
「物足りませんか?」
「少しだけ。」
問いかければ、苦笑とともに返ってくる言葉。
思わずもう一度、僕の腕に妹子さんを閉じ込めた。
「そ、曽良…?」
驚いたように名前を呼ばれる。
それはそうだろう。今まで時間を教えた後に僕が彼に触れることは無かった。
触れたら、離れがたくなることは僕自身がよくわかっていたから。
「できることなら、このままあなたを連れて帰りたい。」
気づけば、僕の口は本音を言葉にしていた。
黙っていようと思ったのに、どうやら無理みたいだ。
「太子さんとの関係を疑われているという話を耳にした時…本当に噂だということは理解していました。けれど…そんな噂をされてしまうくらい、あの人と行動を共にしているんだと思って、正直…嫉妬しました。」
「曽良…」
「ならばいっそ、このままあなたを連れ帰ってしまえばずっと一緒に生活できるでしょう?」
きっと今僕は、ひどい顔をしているだろう。
いつものように無表情を装えている自信がない。妹子さんも、困ったような表情を見せている。
「…冗談です。妙なことを言ってすみませんでした。」
なんとかしていつもどおりの表情に戻して、妹子さんから離れ背を向ける。
このまま妹子さんの家まで行ってしまえばいつものように別れることができるだろう。そして、お互いにまた自分のやるべきことをするだけだ。
「待ってくださいっ!」
「っ!?…妹子、さん?」
突然声とともに後ろから抱きつかれる感覚。
首だけで振り返れば、顔を赤くした妹子さんの姿。
「今の、言葉…冗談じゃ、ないですよね。」
「…はい。」
あなたに真剣な眼差しで問いかけられたら、嘘なんてつけるはずがない。
素直にうなずいて、彼の言葉の続きを待つ。
「すごく、嬉しいです。僕も同じように、曽良をこのまま帰さないでいられたらって…思ってましたから。」
「妹子さん…」
お互い、思うことは同じ…けれど、だからこそそれができないことを理解している。
「でも僕たちは、やるべきことがある。」
「えぇ。そして、それは僕たち自身が決めたことです。」
だからこそ、この関係が愛おしくて離れがたく…愛おしいからこそ離れられる。
「…大好きです、曽良。」
「僕も愛していますよ、妹子さん。」
今度はちゃんと妹子さんのほうに体を向けて、目を合わせて告げる。
最後に、あいさつ程度の触れるだけの口付けをどちらからというわけでもなくして、僕らは自分たちのやるべきことをするために歩き出した。
【終】
―――――――――
いろいろと終わりを考えたけど、結局こんな終わりでした。
もう、書いていて曽良も妹子も離れないからどうしたらいいかと考えまくっていました。
夜桜さん、こんな曽妹でよければ…もらってやってくださいwwww
月見酒(鬼男×妹子)
2009/08/13 02:11:03
でも、チューまでならオッケーですよね!
亜耶のリクだったのですが…初めての鬼妹なので、結構ひどいです。
・鬼男が変!
・妹子はもっと変!
・冥界はどうやら小野家の庭の井戸と繋がってるらしいよ!
・妹子は酒に弱いみたいだよ!
夜桜さんに色々設定やネタを戴いたにも関わらず、生かせなかったのが申し訳ないです。
私の文才ってこんなもん…。ごめんなさい!夜桜さん!
明るく輝く満月が高く上がった夜更け。
珍しく妹子は自分の家の縁側に座って一人猪口を傾けていた。
「一人で月見酒なんて乙なことしてるんだから、もう少し楽しげに飲んだらどうなんだ?」
「え…!?」
突然、何の前触れもなく声が聞こえた。
驚いた妹子が声のした方に視線を向けると、そこには井戸の縁に腰かける鬼男の姿。
「おに、お…さん。」
「鬼男、な。…いい加減慣れろよ。」
あまりの驚きで声がかすれている妹子にくすっと楽しげな笑みを見せて、鬼男は妹子の側まで歩いてきた。
「ごめん…鬼男。」
「いや、気にしなくて良いよ。それよりさ、僕もその月見酒に混ぜてくれないか?」
気まずそうに謝罪する妹子に苦笑混じりに答えて、鬼男は当然のように隣に座る。
「え、あ…勿論。…どうぞ。」
そんな風にされて断る人がいるなら見てみたいものだ。
そんなことを思いながらも、妹子は徳利の側においてあった猪口に酒を注いで鬼男に渡す。
鬼男はそれを受け取りつつも首をかしげて
「一人で飲んでたのに何で二つ用意してあるんだ?」
純粋な疑問を投げ掛けた。
「飲んでたって言っても、眠れなくてたった今飲み始めたばっかだよ。うーん…なんでだろう?なんか…会える気がして。」
「っ…!」
はにかむように微笑んで、妹子は鬼男を上目遣いに見つめながらそう答えた。
見事にど真ん中を撃ち抜かれる鬼男のハート。頬にほんのり朱が射した。
「鬼男…?」
「…妹子って、天然だから怖い。」
一瞬動きを止めた鬼男を不思議に思ったらしい妹子が名前を呼ぶと、鬼男は焦ったように一気に猪口の酒を煽り、徳利に手を伸ばしながら返した。
「…?そういえば、仕事は終わったの?」
自分のを注いでから妹子の猪口にも鬼男が酒を注いでやると、妹子はそれを受けてから問いかけてきた。
「ん?あぁ…珍しく書類処理を真面目に終わらせたんだよ、あのイカ。だから…ちょっと妹子の寝顔でも見に行こうかなって。」
「えぇ!?うわぁー、今日眠れなくてよかったぁ…。」
つん、と妹子の頬をつついて言った鬼男に妹子は本気で安心したような声を出す。
そんな態度がちょっと気に食わなくて、鬼男は唇が触れあう寸前まで妹子に顔を近づけた。
「っ…!」
顔の近さに妹子の体温が急上昇する。
鬼男はそんな妹子の表情すら楽しげに眺めていて。
「寝顔見せたくないなんて、今更だろ。何回一緒に寝たと」
「お酒!お、鬼男来たならお酒もう少し持ってくる!」
ぐいっと強く鬼男の胸を押して逃げるように離れると、妹子は立ち上がって早い口調でそう告げ、家の中に入っていってしまった。
鬼男はそれを見送ってから再び酒を注いで月を見上げる。
「月が明るいお陰で、妹子の表情がよく分かる。」
感謝の意も込めて、月に猪口を掲げた。
「鬼男、お待たせ。」
酒を両手に妹子が戻ってきた。
「お、サンキュ妹子。」
鬼男はそれを見て手を下ろすと笑顔で礼を言う。
妹子はそんな鬼男の笑顔にときめきを覚えながらも、とりあえず平静を装って鬼男のとなりに腰かけた。
「さ、鬼男。どんどん飲んでよ。」
「僕一人で飲んでも楽しくないだろうが。妹子も飲めって。」
徳利を持って鬼男の猪口に傾ける妹子に、鬼男は苦笑して自分も妹子の猪口に酒を注いだ。
「わ、駄目だって!僕、普段あんまりお酒飲まないんだから。」
とりあえず受けとるものの、妹子は焦った様子で自分の猪口を鬼男から離した。
「鬼男なら閻魔大王の付き合いで結構飲んでるんだろうけどさ、僕はそんなに付き合いで飲むことはないし…」
「まぁ、そうだけど…」
妹子の言葉にしぶしぶ鬼男は頷く。
その返答に、妹子は安心したように表情を和らげた。
「じゃあ、どんどん飲ん」
「でも…飲んだことないって言われると、飲ませたくなるもんだろ?」
「え…」
ホッと息を吐いて酒を勧めようとした妹子の言葉を遮って、鬼男は新しいおもちゃを見つけた子どものような笑顔を見せた。
「たまには、酒に溺れてみないか?」
「ん…!?」
言うが早いか、自分が持っていた酒を口に含むと、そのまま妹子と唇を合わせた。
逃げられないように体を抱き寄せて、何度か同じようにして徳利の酒をすべて飲ませる。
「ん…っぅ…は、ぁ…」
鬼男が徳利が空になったことを確認してから唇を離すと、妹子は酒のせいか酸欠のせいか瞳を潤ませ、頬を上気させて浅い呼吸を繰り返す。
心なしか、焦点が合っていない…?
「えっと…妹子?」
「もぉ…おに、おのっ…ばかぁ…」
調子に乗って飲ませすぎたか?と思って声をかけると、とたんにふにゃりと妹子の目尻が下がってぽろぽろと涙を流し始めた。
「え…!?」
「ぼく、飲めないって言ったのにぃ…ばかぁ!もぉ、やだぁ…!」
予想外の妹子の反応に戸惑う鬼男を置き去りに、妹子は子どものように泣きわめいてポカポカと鬼男の胸を叩く。
「え、えーっと…とりあえず、ごめん妹子…」
――なんか、可愛いかも…
思わずそんなことを思いつつ、どうやら怒っているようなので胸を叩き続ける妹子の頭を撫でながら謝罪する鬼男。
すると妹子は鬼男の手を振り払い
「やらっ!あつい!!」
鬼男からパッと離れてしまった。
「妹子、お前な…」
「にゃー…あつい…おにおー、ぬいでいーい…?」
鬼男がため息混じりに言おうとした言葉など聞いておらず、妹子はトロンとした瞳で問いかけると、答えも聞かずに自らの服に手を伸ばした。
「は!?ちょ、待て待て!お前今着てるの寝巻きだろうが!!」
脱いだら下着姿になる…!
慌てて鬼男はあわせを引っ張って脱ごうとする妹子の腕を掴んだ。
「やらぁ!はなしてよ、おにおのばかぁ!ぼくはぁ、あついのぉ…!」
「だからダメだって!妹子っ!」
鬼男の腕から離れようと暴れる妹子を止めようと、鬼男はほぼ無理矢理妹子を押し倒した。
あくまで妹子を止めようとして。
「ふぇっ…うぅ~…も、あついのぉ…」
「っ!」
止まることを知らない妹子の涙と、赤く染まった頬。暴れたせいで結局はだけてしまった寝巻きとそこから見える上気し、少し汗ばんだ白い肌。
それがなにも言わずに空で輝く月の光に照らされて、ひどく扇情的だった。
「いも、こ…」
名前を呼ぶ鬼男の声がかすれる。
どうせこんな真夜中だ。誰かが見ることもないだろう。…そんな考えが、鬼男の頭をよぎった。
「おに、お…やらぁ…つき、が…見てるぅ…!」
自分の思考に忠実に、妹子の首筋に唇を近づけたとき、妹子が身を捩ってそう言った。
「は…月?」
思わず顔を上げて妹子を見る。
月が見てると言う断り文句を聞くとは思わなかった。
「きょぉは、まんげつだもん…あかるくて…はずかしい、よぉ…」
酒に酔ってるときくらいその羞恥心はなりを潜めてくれないだろうか。
どんなときでも必ず現れる妹子の羞恥心に、鬼男は少しやるせない気持ちになる。
「僕は妹子の体や表情がよく見れて嬉しいんだけど…?」
「それがヤなのぉ!みないでよぉ、おにおのばかぁ!」
からかうように鬼男が言うと、妹子は首を横に振ってもはや口癖のようになっている鬼男のバカと共に嫌だと告げる。
「あんまりバカバカ言うな。僕でもちょっと傷つくぞ…。いいじゃないか、満月にだろうと草の中の虫にだろうと見せつけてやろうぜ。」
「んぅ…!ふ、ぅん…っ!」
どうせ今の妹子には大した抵抗力もないだろうと踏んで、鬼男は強行突破に出た。
いやいや言う唇を長く、しつこい口づけで塞ぐ。
「ぁ…は…おに、お…」
妹子が手を鬼男の首に回してきたら、もうあとは流されるまま流される。
鬼男は、口には出さずとも計画通りと言いたげに笑みを深めた。
「本当は月にだって見せたくないけど…月明かりに照らされる妹子も、たまにはいいかな。」
特別に、今夜の満月にだけ妹子の乱れる姿、見せてあげますよ。
「あ、やぁっ…!おにっ、お…っ!」
◇◇◇
「いたた…」
翌朝、妹子は激しい頭痛で目が覚めた。
「あれ…?ちゃんと布団で寝てる…」
昨日は、なんだか鬼男が来るような気がして寝付けなくて、少しお酒でも飲もうと思って縁側に出て…?
「っ!!」
順を追って思い出していくうちに、一気にすべてを思い出した。
ボンッと音がしそうな勢いで妹子の顔が赤くなる。
「うわぁ~、なんか…ものすごく恥ずかしいこと言ってた気がする!…ん?」
妹子が恥ずかしさのあまり叫ぶと、視界の端に見覚えのない紙が映った。
思わず手に取り、目を通す。
『大丈夫か?
妹子があんなに酒に弱いと思わなかった。
すまない。
きっと月も知らなかっただろうな。
でも、月明かりに照らされてる妹子は綺麗だったよ。
凄く綺麗で、我慢できなかったんだ。
妹子は二日酔いになってないか?
もし、二日酔いで辛かったら無理はするなよ。
子どもじゃないんだからこんなこと言う必要ないよな…じゃあまたな。
鬼男』
「っ!」
何を考えてるんだ、あの鬼は…!
読んですぐ、くしゃっと紙を握りしめた。
「たまにしか…会えないのに…」
呟いて、握りしめた紙を胸に持ってきてぎゅっと抱き締める。
「手紙書くならっ…もうちょっとマシなこと書けよ…っ、鬼男のバカ…!」
昨日だって、ほんとは色々話したくて…普段言わないようなことも、酒のせいにしてしまえば言えるかもって思ってたのに…。
「鬼男は、そんな力借りなくたって言っちゃうんだから、すごいよ。」
くすっと笑ってくしゃくしゃにしてしまった紙を綺麗に伸ばして引き出しにしまう。
頭痛は少し辛いけど、仕事を休むわけには行かない。鬼男の手紙で元気も出てきた妹子は朝服に着替えて出仕することにした。
『大好きです妹子』
手紙の頭文字に改めて記された、鬼男の気持ち。