優しさゆえに(鬼閻)
2009/10/17 19:08:02
・個人的な観念、解釈が含まれます。
・閻魔が泣きます。
・ぶっちゃけよく分からない。
・やっぱり鬼男くんがかっこつけ。
・ちょっと暗め?
相変わらずの低クオリティーですが、読んでくださる方は追記からどうぞ
「そうやってしらばっくれる態度もひとつの要因だね。…問答無用。連れていけ。」
今日もまた、増え続ける地獄行きの死者。
そして、以前と比べると無意味な言い訳や問答をしてなんとか天国に行こうとする死者も増えてきた。
「何を言ったって、審判は覆せないのにね。」
閻魔が悲しみを帯びた声でポツリに呟く。
あ、と思ったときはもう遅かった。
「そう…そうだよ。審判は覆せない。覆せないんだよ!それなのに私のせいじゃない、俺は悪くない、って毎回毎回!地獄行きになるだけのことをしたって、なんで自分達で気付かないのっ!?」
「大王…っ」
取り乱した様子で叫ぶ閻魔に声をかけるが、耳に届いているはずもなく。
「最近はいつもそうだ、覆ることのない審判を前にくだらない戯れ言ばかり並べて!!俺にっ…俺にどうしろって言うんだよ!?俺なんかに何かできるはずがっ…」
「閻魔大王っ!!」
「っ、」
結局、いつものように鬼男は声を張り上げて閻魔を呼びながら、腕を掴んで強く抱き締めた。
「分かってます…分かってますから、もう…」
自分を傷つけるのは、やめてください。
その声で閻魔は動きを止め、くしゃりと顔を歪めると、すがるように鬼男の服をぎゅっと握りしめた。
「っ、ふ…ぅっ、く…うぅー…」
ぽろぽろと濡れた瞳から雫が溢れ出す。
…誰よりも人間を愛しているあなただから。
救えないのが悔しくて、決まった判決を告げるだけの自分が悲しくて、大切なものを傷つけることで自らを苦しめ、傷つける。
「っ、俺は…無力だね…っ」
「…お前は優しすぎるんだよ。」
鬼男の腕の中で肩を震わせてしゃくり上げる閻魔の頭を優しく撫でて、鬼男は努めていつも通りに答えた。
閻魔の苦しみや葛藤などいざ知らず、世界はまだ足りないとばかりにどんどん愚かな人間を創り出す。
――これが、こいつへの罰だって言うんだろうか。
救いたくても救えない魂を突き放し、苦痛しかない地獄に送り続けて。
悪態や暴言をその身に受け、それでも無感動に、私情も同情も挟まず平等に裁きを続けなくてはいけない。
「解ってる…っ、罪には罰だ、って…でもっ…助けて、って…言われると…っ」
悪いのは罪を犯した方だ。犯した罪を償うために地獄があり、地獄で清算をすればそれで転生することも、天国に行くこともできる。
けれど…助けを求める声が、ずっと閻魔の中で響いて離れないのだ。
頭で理解していても、心が拒む。助けてあげたいと、苦しめたくないと悲鳴を上げる。
「…大王。」
「っ!…ん、ふ…っ」
鬼男は声をかけながら閻魔の顎に手をかけると、そのまま涙で濡れて光る唇を自分のそれで塞いだ。
息をつく暇も与えないくらい激しく、閻魔の口内を荒らす。
「っ、ぁ…ふ、んっ…ぅ…!」
長く、しつこく口づけを続けていると次第に閻魔の体から力が抜けていく。
何か気の利いた言葉のひとつやふたつ言えれば良いのだが、今の鬼男には何も考えられないくらい頭を真っ白にさせて誤魔化す方法しか浮かばなかった。
「ふ…っんぅ…ん…」
閻魔の優しさが、苦しみが罰ならば、ただ耐えてもらう他ないから。
閻魔大王という地位をもらった以上、永遠に続くことだというのなら、下手な言葉を投げかけたってそれは気休めにもならない、無意味なことだ。
「っ、ふ…ぁ…っ、は…」
「…あなたが揺らぐと、世界も僕らも揺らぐんです。しっかりしてください、閻魔大王。」
鬼男は閻魔の両頬に手を添えて、はっきりと告げる。
酷なことを言っていると思う。けれど、いつまでも立ち止まってはいられないのだ。逃げようと思って、逃げられるものでもない。
「辛いときは、言ってください。その肩にかかる荷物が重くて潰れそうなときは、一人で持たずに僕にも持たせてください。」
「鬼男くん…」
「全力で支えてやるよ。お前だけが苦しみ、傷つく世界なんて、僕は絶対認めない。」
人間が、世界が閻魔を傷つけて苦しめるなら。それが罰だと言うのなら。
せめてそばに仕える鬼が、癒し休める場所になったっていいでしょう?
【終】
―――――――
私が精神的に落ち込んでいたときに書き始めて、途中で止まっていたものです。
落ち着いてから書けばすんなり終わるのですから、バッドエンドや救いのない作品は書けないのかもしれません。
だって、好きな子達には幸せになってほしいんです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「告白」で妹子受け
2009/10/03 22:18:46
気分転換というかリハビリというかww
キャラ崩壊が…orz
最初に受け子に選ばれたのは、みんな大好き小.野妹.子さん!
単純に一番最初に全員のネタが浮かんだだけです。←
太妹
曽妹
芭妹
閻妹
鬼妹
の順で行きます。
仕方ねぇな…読んでやるよ。という寛大なお方はどうぞ追記から。
太妹
「あっ、妹子!こんなところにいたのか!」
妹子が書庫で調べ物をしていると、不意にそんな声が聞こえた。
思わず内心で舌打ちする。
「…何か用ですか、太子。また仕事もせずにふらついて。」
顔を上げなくても誰かは分かっていたので、調べ物を続けながら妹子は問いかけた。入り口から、だんだんと近づいてくる気配。
「っ…!?」
突然後ろから手が伸びてきて、背中に温かいものが触れる。そして、強くなるカレー臭。
「今日はちゃんとしてたんだぞ?でも、途中で無性に妹子に会いたくなってな。」
「それ、で…まさか、仕事放り出してきたんですか?」
ギュッと抱きしめられる感覚と耳のすぐ近くで鼓膜を揺らす低い声に、ドキドキと存在を主張し出す妹子の心臓。
「だって、妹子に会いたくなったらもう仕事どころじゃなくなっちゃったんだもん。」
「なっ…仕事しろバカ!…というか太子、いつまでくっついてるつもりですか。僕、調べ物してたんですけど。」
甘えるように妹子の髪に顔を埋めてくる太子にいつもどおり返す妹子だが、調べ物のことが過去形になっている時点でもうすでにその気はないことがありありと伝わってくる。
「調べ物なんていいよ。私、妹子から離れたくない。妹子だって、もうそんな気分じゃないだろう?」
妹子を抱きしめる太子の腕の力が強くなる。
「うっさい、離れろアホ太子。」
「好きだよ、妹子。私もう、妹子なしじゃ生きていけない。それくらい、お前に惚れてる。」
口だけでは拒む妹子に、太子は熱のこもった声で囁いた。
「っ…ほんとバカじゃないですか、太子。死んでください。」
妹子は顔を真っ赤にして毒を吐き、胸の前で組まれた太子の腕にそっと自らの手を添えて太子にもたれかかった。
―――――
曽妹
「あ、曽良!見て!日の光が、すごく綺麗だよ。」
雲のない青空から照らす日の光が、生い茂る常緑樹の葉の隙間からたくさんの筋となって地上に降り注いでいた。
その様子がまるで光のカーテンのように見えて、妹子は言いながら目の前を指差して後ろを振り返る。
「そうですね。でも、この風景をバックにこちらを振り返る妹子さんの方が何倍も綺麗です。」
「へっ!?え、ちょ…っもう!やだなー、曽良!変なこと言わないでよ。」
表情一つ変えずにサラッと言った曽良に対し、予想外の返答に慌てふためいた様子で言い返す妹子。
曽良は開いていた距離を縮めると、指通りの良い妹子の髪を梳くように撫でて柔らかい頬に手を添える。
「好きだから余計に、というのもあるのかもしれませんが…それを抜きにしたって、先ほどの妹子さんは本当に、とても綺麗でしたよ。」
「あ…え、っと…」
ふざけるでもなく、かと言って照れたり微笑んだりするわけでもなく、ただ真剣に真っ直ぐ妹子の目を射抜いて曽良は言うものだから、妹子のほうがどう反応したらいいか分からずに視線を戸惑ったようにさ迷わせる。
「大好きですよ、妹子さん。僕はいつだってあなたのことばかりを考えて…あなたに恋をしています。」
「そ、ら…」
抵抗もなく、ごく自然にそんなことを言う上に、それがやけに似合っているように思えるからいけない。
妹子は頬に触れる曽良の手に自分の手を重ねると曽良を見つめてはにかんだ。
「僕も…好き、だよ。曽良…」
「えぇ。よく知っています。」
――――――
芭妹
「そういえば…芭蕉さんは、その…なんで僕のことを好きになったんですか?」
2人でのんびりお茶を飲んでいるとき、妹子が不意に思い出したように問いかけてきた。
芭蕉は妹子の何の前触れもない質問にびっくりしたように動きを止めてから、すぐに柔らかく微笑んで飲んでいたお茶を机に置いた。
「私、妹子くんのこと不安にさせちゃってたかな?」
「あ、いや別にそういうわけでは…。ただ、どうしてかなって…何となく思って。」
告白したのは妹子から。すぐに芭蕉からも「好きだよ。」という返事が来て嬉しかったのだが、恋人同士となっても特別何かするわけでもなく、以前のようなただの茶飲み仲間みたいなこの状況に不安が全く無かったと言ったら嘘になるけれど。
「最初に惹かれたのはね、君の瞳だったんだ。強い意志を持って、炎を宿したみたいな瞳。」
「瞳…。」
芭蕉は穏やかに微笑んだまま思い出すように、かみしめるように語りだした。妹子も思わずお茶を飲む手を止めて話に聞き入る。
「次に行動力とその髪かな。こうと決めたら即実行して、それなのにスムーズに事を運んじゃうし。そのときに気づいたんだけど、動くたびにさらさら揺れるその髪もすごく綺麗だなぁって思って。」
「そんな…っ、僕はいつもいっぱいいっぱいですよ!」
「そう。君は時々頑張りすぎちゃって、立ち止まったり落ち込むことがるよね。そのときの姿は、守ってあげたい、私に頼ってもらいたいって思った。…妹子くんが辛いときは、誰よりも私が傍にいてあげたい。」
照れたのを誤魔化すように目の前で両手を振って、妹子は芭蕉の言葉を否定するがそれすらも上手く拾って芭蕉は語りを続けた。
「それから、顔と表情。妹子くんって表情がよく変わるでしょ?毎日見てると飽きないし、その中には初めて見るものや私だけに向けられる表情もあって、それを見つけるたびに、なんだか幸せな気分になるんだよね。あとは、妹子くんの体の」
「あの!芭蕉さん、もういいです!聞いてて恥ずかしくなってきました!」
あまりに芭蕉が自分を褒めるものだから妹子は聞いていて恥ずかしくなってしまい、顔を真っ赤にしてまだまだ続きそうな芭蕉の言葉を遮った。
まさかこんなに思われているとは思わなかった。
「そう?まだまだたくさんあるんだけど…まぁ、とにかくね。私は、妹子くんが妹子くんだから好きになったんだよ。妹子くんの外見も声も、性格も、話し方も…言うならば妹子くんの全てが好きなんだ。」
ひょっとしたら、君以上に君を思ってるかもよ?と得意げに付け足す芭蕉。
「ありがとう、ございます…」
恥ずかしそうに俯いて、妹子は小声で芭蕉に礼を告げた。
「ドゥ?不安は無くなった?」
「は、はい…。あの、すごく嬉しかった…です。」
机にひじを突いてくすくすと笑いながら芭蕉が問いかければ、やはり俯いたまま妹子は答えた。
―――――――
閻妹
「いもちゃんって、可愛い顔してるよねー。」
「喧嘩売ってるんですか。」
作業している妹子の横顔を机に懐きながら見ていた閻魔が、ニヤニヤしながら呟いた。
「やだなー、褒めてるんだよ。俺は好きだよ?いもちゃんのかーわいいそのお顔。」
「馬鹿にされてるようにしか聞こえないんですけど。」
女みたいな名前、女みたいな顔つき。可愛いと言われることは妹子にとって嬉しいことではなかった。それでも閻魔は何かにつけて妹子に可愛いと言ってくる。
「怒ってるいもちゃんも可愛いね。俺、ホントいもちゃんのこと好きだなー。ねーねー…セーラー着てみる気、ない?」
「っ、いい加減にしてください!!」
バンッ、と妹子は目の前の机を叩いた。
「何なんですか!人の気にしてることをからかうように!アンタはいつもそうだ、僕の言葉も気持ちも全然考えない!僕のことが嫌いなら遠まわしな嫌がらせしないで嫌いって言えばいいじゃないですか!!」
自分ではどうしようもないことを毎日のように言われるのが悔しくて、妹子は泣きそうに顔を歪めて声を張り上げる。鼻の奥がツンと痛くなって、視界が滲んできた。
「…何言ってんの?俺は妹子のこと、大好きだよ。毎日そう言ってるじゃない。」
妹子の言葉に閻魔は机から体を起こして先ほどとは打って変わって真面目な顔で告げた。
「好きすぎて、何話したらいいか分からなくてさ。ごめん、そんなに傷つけてると思わなかった。でも、俺は妹子が好きだよ。他の誰よりも俺が妹子のことを愛してるって、自信持ってはっきり言える。」
妹子の頬を伝う涙を見て妹子のそばに移動した閻魔は、それを拭いながらなおも言葉を続ける。
「っ…」
いきなり真面目な顔で、珍しく呼び捨てで告白されて喜びと羞恥で一気に赤面する妹子。
「だからさ、俺のこと…嫌わないでよ。俺、いもちゃんしか考えられないんだから。」
閻魔は妹子の背中に手を回して、まるで離さないとでもいうように強く抱きしめた。
―――――――
鬼妹
「おっ…鬼男!」
「ん?どうした、妹子。」
作業をしていた鬼男に、妹子が声をかけてきた。鬼男はその声に作業を止めて顔を上げると、柔らかい笑み浮かべて聞き返す。
妹子は恥ずかしそうに頬を染めて懐から何かを取り出して見せた。
「あの、さ…映画の、チケットが、ね…2枚、あるんだ…」
鬼男が以前観たいと言っていた映画のチケット。今度2人で見に行きたいねって話していたもの。
「お、これ…。何?太子か誰かと行ってくるのか?感想、聞かせてくれよな。」
映画のタイトルを見た鬼男は、ごく普通にそんなことを言って笑う。
「あ、いやっ…ち、ちが…っ」
「え、血!?妹子、怪我でもしたのかっ?」
妹子はその返答に焦ったように首を横に振って否定しようとするも、鬼男と一緒に行きたいなんて恥ずかしくて言えなくて、言葉に詰まった。
それを聞いて慌てた態度を見せ、妹子の腕を掴み引き寄せて体を確認し始める鬼男。
「うぁっ、違う違う!怪我してないから!血も出てないから!大丈夫!!」
突然近くなった鬼男との距離に妹子の心臓はもう爆発しそうなくらい高鳴っていて、声を張り上げて否定すると鬼男の体を押して離れた。
「…?じゃあ、何だよ?」
「いや、もういいです!うん、なんでもないっ!ごめんね、作業中に。」
妹子の行動の意味が分からないという姿勢で問いかけてくる鬼男に、妹子はこれ以上恥ずかしさに耐え切れなくなって、叫ぶように答えると背を向けた。
「いやいや、いいってことは無いだろ。」
「ぅわっ!?」
歩き出そうとしたところで腕をぐいっと強く引かれ、妹子は再び鬼男の腕の中。
「僕と映画、行きたいんだろ?まったく…もう一押ししてくれれば気づいてやったのに。」
「っ!お、鬼男…気づいてっ…!?」
くつくつと楽しげに笑って言う鬼男に、妹子は首だけで振り返って問い詰める。
「一緒に行きたいって言ってたチケット2枚見せられて、あんな顔で言われてるのに気づかない奴はいないと思うけど?」
「だ、だったら…なんで…」
知らない振りも、焦った態度も全部演技だったと分かると、やはり納得いかない。
自分の頑張りや羞恥はなんだったのかと言いたくなる。
「せっかく妹子が僕を誘おうとしてくれてるんだから、ちゃんと言ってくれるまで待とうかなって。そしたらお前、背中向けて帰ろうとしちゃうんだからちょっと焦ったよ。」
「だって!鬼男、ちっとも気づかないし…僕もあれ以上何かするなんて無理だったんだよ!」
「確かに今回は妹子にしては頑張ってたよな。チケット、わざわざ取ってくれてありがとな。今度、一緒に行こう?」
「う、ん…。」
頭をくしゃりと撫でて嬉しそうに笑う鬼男に、妹子は恥ずかしそうに俯いた。
「赤い顔、隠さずに見せろよ。恥ずかしがる妹子の顔、僕の好きなところのひとつなんだからさ。」
「っ…」
「首まで真っ赤で、すごく可愛い。…大好きだよ、妹子。これからもずっと一緒、な?」
―――――――――――――
無謀すぎた…。ダメだもう…だんだんキャラが崩壊していく…orz
CPによって長さが全然違ってすみません!長くなっているのは大抵話が浮かばなくてうだうだしたCPです。次は誰受けで書こうかな…(←まだやる気か
長々とお付き合いいただき本当にありがとうございました!
ただ閻魔に血を飲ませたかっただけ。
2009/10/01 20:40:07
・gdgdにもほどがある。
・とりあえず鬼閻のつもり。
・閻魔が鬼男の血を飲みます。
書きたいことが上手くまとまらなくなりました。
これからは設定とか流れとかを決めてから書き出すように…できたらいいなと思ってます。
仕事の合間、閻魔が鬼男の袖を引っ張ってねだるように声をかける。
「仕事中はダメだっつってんだろ。欲しけりゃ仕事をさっさと終わらせてください。」
鬼男はいつものファイルから目を離さずに言い返す。
赤みが増して艶やかな光を放つ紅玉と目を合わせたら、抵抗できなくなるから。
「うー、喉渇いたぁー…」
「我慢しろ。アンタ僕の血を飲むと使い物にならなくなるんですから。」
鬼の力を抑制するためなのか、単純に食欲などと同じように体が欲しているだけなのか鬼男にはよく分からないが、不定期に閻魔は血を欲しがる。
空腹を訴えるのと同じように、喉が渇いたと言って鬼男の袖を引っ張るのだ。
「ねー、鬼男くぅーん…」
「ダメです。」
なおも袖を引っ張って催促する閻魔の手を今度こそ振り払う。
あまり我慢させてしまうと閻魔も鬼男も辛いので、できるなら早めに飲ませてやりたい。
「はぁ…鬼男くんの、意地悪ぅ…」
「…早く飲みたいんでしょう?文句言ってる暇があるならさっさと終わらせるぞ。」
執務机にしんどそうに突っ伏す閻魔の頭を、ペシッとファイルで叩いてたしなめる鬼男。
「むー…分かったよ。じゃあ、次呼んで。」
渋々といった様子で起き上がり、閻魔は言った。
辛そうではあるが、残っている死者を捌くだけの余力はありそうだ。
「はい。…では、次の方どうぞ。」
◇◇◇
「今日の裁きはこれで終わりです。大王、お疲れさ…っ!」
全員を裁き終え、チェックも終えた鬼男が閻魔にいつも通り報告していると、それすら待ちきれないと言うように閻魔が手を伸ばして抱きついた。…熱っぽい視線と目が合う。
「ちゃんと、待ったよ。だから、早く…ちょーだい…?」
「っ…」
熱い吐息と上目遣いでねだる閻魔に、鬼男は息を飲んで動きを止めた。…紅玉に誘われるように、拍動が大きく、早くなる。
仕事も終わったし、約束は約束だ。
「…飲みすぎないで下さいね。」
「ん…」
ため息混じりに鬼男が答えると、閻魔は嬉しそうに瞳を輝かせて鬼男の首筋に唇を寄せた。
「ふふっ、いただきます。」
「ぃっ、つ…!」
よほど我慢していたのだろう。勢い余るくらい容赦なく、閻魔は目の前の首筋に鋭い牙で噛みついた。
鬼男が脈打つ度に、喉を鳴らして喜ぶ閻魔。
次第にかなりの熱を持っていた閻魔の体はいつも通り落ち着いていき、先程までの見る者を魅惑するような瞳の艶やかさもなりを潜めていった。
「ふ…は、ぁ…」
満足したのか、閻魔は鬼男から口を離し、とろん…と眠そうな瞳で彼を見上げる。
「満足できましたか?」
飲みきれず閻魔の口端を伝う赤を、頬を撫でるように指で拭ってやりながら、鬼男は優しく問いかけた。
「ん…ごちそー、さまぁ…」
こてん、と鬼男の胸に体を預けて舌足らずに答える閻魔。
「なら良いです。どうぞ、おやすみなさい。閻魔大王…」
ふわりと安心させるように柔らかく閻魔の頭を撫でながら鬼男が言うと、閻魔は抵抗なくゆっくりとまぶたを下ろした。
それからすぐに聞こえてくる、穏やかな寝息。
「ったく、思いっきり噛みつきやがって…」
片手で閻魔を支えながら、空いた手で傷口を押さえる。
もちろん、もう出血は止められているが、傷跡も痛みもわずかに残っていた。
「飲みすぎんなっつったのに…」
我慢した反動がやはり出たのか、閻魔はいつもより多めに飲んだようで、少し頭がくらくらする。
しかし、いつまでもこの状態でいるわけにもいかない。鬼男は軽くため息をついてから安心しきった様子で眠る閻魔を抱き上げた。
「んん…」
途端に、甘えるようにすり寄ってくる閻魔。
赤子のようにきゅっと鬼男の服を握ると、幸せそうに微笑んだ。それを見て、鬼男も自然と笑みを浮かべる。
「よっ…と。」
閻魔の私室に入り、そのまま起こさぬよう布団を整え、ベッドに寝かせる。
邪魔そうな帽子はいつものように枕元に。
掛け布団をかけてやって、さて仕事場を片付けようかと立ち上がったところで急激な目眩に見舞われた。
「っ!」
足に力が入らずそのまま上半身が布団にへたり込む。
「はぁ…っ、しんど…」
ふかふかの布団に体を沈めてしまうと、起き上がるのが嫌になってくるもので。
――今日はもうこのままここで寝かせてもらおうか。
そんなことが頭をよぎると、本格的に起き上がりたくなくなり、疲れと貧血のせいか眠くなってきた。
しかし、本当に仕事が終わったそのままの状態で放置されているし、もちろん明日の予定確認も準備も済んでいない。
「あー…もういいや。」
閻魔の寝息を聞いていたらどうするか考えるのもバカらしくなってきて、鬼男は一人呟くと閻魔の隣に横になった。
「んー…ん、ぅ…」
すると気配を無意識でも感じ取ったのか、閻魔がすかさず甘えるようにすり寄ってくる。
「…お休みなさい、大王。」
明日は朝から忙しくなるが、同じように閻魔を叩き起こして手伝わせてやろうと、そんなことを思いながら鬼男も閻魔の寝息につられるように眠りについた。
【終】
―――――――――
逆に閻魔に鬼男の血を飲ませてみました。
最初は、鬼の気にやられないようにするためにとか、血を飲むことで鬼男の行動を制限してるとか、強すぎる自分の力を抑えるために鬼の血を飲まなければいけないとか、色々考えていたのですが…上手くまとまらず、結局なんで閻魔に血を飲ませたのか分からなくなってしまいました。
文章力、表現力、発想力を身に付けたい…orz
おやつタイム(鬼男×閻魔)
2009/09/27 17:50:08
何となく甘いのが書きたくなって、撃沈…。
小説ってどうやって書くんだっけ…?ってくらいまで落ち込みました。
書き直したり全然違う話書いたりとかしてみたんですけどやっぱり上手くいかず。
でも、何とか書きあがったので上げてみる。
・目指したのは砂糖を吐きたくなるくらい甘い鬼閻→撃沈
・鬼男のさり気ない優しさ、ツンデレっぽさを出す→撃沈
・それどころか鬼男くんが別人フラグ。
・閻魔を甘えたで、鬼男くん大好きな感じに→撃沈(なんか幼くなった)
・冥界の間取り(?)どうなってんだよww(考えてなかった)
こんな感じのgdgd具合ですが…よろしいですか?
「お・に・お・くん!」
「ぅわっ…!?」
調理場で本日のおやつであるクレープの皮を焼いていた鬼男の背中に、突然名前を呼びながら飛びつく閻魔。
鬼男は火を扱っていたということもあり、焦った様子で手を止め、閻魔を振り返った。
「こンのアホ大王イカ!火を使ってるときは抱きつくなって言ってんだろ!!」
「聞いて聞いて!俺、今日はちゃんと書類全部終わらせたよ!」
叱りつけるように鬼男が声を荒げても、返ってくるのはぎゅっと抱きつかれる感触と褒めてくれといわんばかりのそんな答え。
「だからって抱きついていいことにはなりません。ほら、離れろ。」
「やーだー!なんだよー、褒めてくれたっていいじゃん!俺頑張ったんだよ?」
鬼男は片手でクレープの皮を皿に移しながら、空いた手で閻魔の頭を軽く押して離れさせようとするが、腕の力を強めて頑なに鬼男から離れることを拒む閻魔。
「…最初からおやつの時間までに終わらせる約束だっただろうが。第一、書類を終わらせるのは当然のことです。」
しばし閻魔を離れさせようと格闘したが、どうにも離れる気配がないので鬼男は諦めて、用意していたフルーツや生クリーム、チョコレートソースを盛り付け始めた。
「でもさ、この俺が珍しくやる気出して終わらせたんだよ?…ご褒美にイチゴもーらい!」
「普段からやる気出してれば書類は溜まらないんだけどな。」
鬼男が褒めてくれないのならと、抱きついたまま目に付いたイチゴに伸ばした閻魔の手を、言いながらぺちんとはたく鬼男。
「ぃたっ!もうっ、鬼男くんの意地悪!」
「すぐ出来るんだからもう少しくらい我慢しろ。」
実際は大して痛くないはずなので、鬼男は気にした様子もなくたしなめるような言葉を返す。
「ちぇー、イチゴ一個くらいいいじゃん…」
そんな鬼男の態度が気に入らなかったのか、閻魔は拗ねたように文句を言うが、やはり鬼男から離れる気配はなく、むしろ背中に頬をすり寄せてきた。
「…バニラとチョコ、どっちがいいですか。」
ふぅ…とため息をついてから、手馴れた様子で盛り付け終えたクレープを包んだ鬼男が不意に問いかける。
「えっ?」
「ご褒美をやるって言ってるんですよ。ほら、さっさと選べ。」
突然のことで理解できなかったらしい閻魔が聞き返すと、少しぶっきらぼうに答えて冷凍庫に手を伸ばす。
「いいの…?」
まさか本当にくれるとは思っていなくて、思わず確認するように問いかけてしまう。
「欲しいって言ったのはお前だろうが。それとも、いらないんですか?それならそれで…」
「わぁーっ、いる!いるってば!バニラがいい!バニラ!!」
やっぱり慣れないことはするものじゃない、と思って鬼男が言いながら冷凍庫を閉めようとすれば、慌ててその手を掴んで答える閻魔。
そんな閻魔の姿が面白くて、ふっと柔らかい笑みを浮かべた鬼男は「バニラですね。」と言ってバニラアイスに手を伸ばした。
「先に座って食べててください。今日もココアでいいですか?」
包み終えたクレープの上に落ちない程度の量をスプーンですくって乗せ、閻魔に手渡しながら鬼男は確認を取る。
「うん、ありがと!」
受け取って、子どものように無邪気に笑った閻魔はようやく鬼男から離れ、待ちきれない様子で休憩室に駆けていく。
「あ、こら走るなイカ!落としても、もう作ってやりませんよ!」
「分かってるよーだ!」
鬼男が怒鳴っても、閻魔は返事だけでさっさと行ってしまった。
「ったく、もう…」
舌打ち混じりに呟いても、それだけ早く食べたいと思ってくれているんだと思うと、自然口元が緩む。
鬼男は手早く片づけを済ませると、砂糖を少なめにしたココアを持って閻魔のいる休憩室に向かった。
「これ、すっごく美味しいよ鬼男くん!」
鬼男が休憩室に入って開口一番、閻魔は満面の笑みで感想を口にする。
「それはどうも。」
マグカップを閻魔の前に置き、自分も向かいに座りながら礼を返す鬼男。
閻魔はちょうど喉が渇いていたのか、すぐさまマグカップに口をつけた。
「鬼男くんってさ、なんでこんなにお菓子作るの上手いの?」
再びクレープに口をつけながら閻魔が不思議そうに問いかけてくる。
その鼻の頭にはちょこんと可愛らしく乗った生クリーム。
「さぁ…?誰かさんが毎日多種多様なリクエストをくれるから、ですかね。」
冗談っぽく答えながら、鬼男は閻魔に顔を近づけてチュッと生クリームを舐め取るように鼻の頭に口付けた。
「っ!」
予想していなかった鬼男の行動にぴきっと体を固まらせる閻魔。
それを至近距離で楽しげに眺めて、鬼男は何事もなかったように元通り向かいに座る。
「どうかしましたか?あんまりのんびり食べてると、溶けますよ?」
頬杖をついてからかうように言ってくる鬼男の楽しそうな笑顔。
…やられっぱなしは気に入らない。
「俺一人じゃ食べきれないから、鬼男くんにもあげるよ。」
閻魔は鬼男が甘いものをあまり好まないことを知りながら、にっこり笑って鬼男の目の前にクレープを差し出す。
例え食べなくても、嫌がる顔くらいは見れると思ったのだ。
「そうですか?…では、遠慮なく。」
「えっ…!?」
しかし、鬼男は嫌がる様子どころか、むしろ嬉しそうに目の前のクレープに口をつけたので、閻魔のほうが驚いてしまう。
「お、美味しい…?」
とりあえず、食べた感想を聞いてみる。
それくらいしか次の行動が浮かばなかったから。
「甘いです。お前用に作ってるから、余計に甘い。」
「じゃ、じゃあなんで食べたんだよ!」
鬼男の行動の意味がさっぱり分からず、思わず食いつくように聞き返す閻魔。
すると鬼男はまたもしてやったりという顔で楽しげに笑って、一言。
「そりゃ、口直しに期待できると思ったからですよ。」
「っん…」
抵抗しようと思うことすら忘れるくらいに自然に重なった唇。
溶けると言っておきながら、すぐに離す気配のないゆっくりとしたこの甘い愛撫は何だろうか。閻魔は離れがたくなって自らも鬼男に舌を絡ませ始めた。
「っ、ふ…ぁ、んぅ…」
力が抜けてクレープを落とさないよう考慮したつもりなのか、片手はしっかりと閻魔の手に添えて、もう片方は後頭部に回して。
溶け出したアイスと生クリームが二人の手を濡らす。
「ふ…は、ぁ…」
「やっぱり大王の口の中も甘いですね。口直しどころかさらに甘さが強まりました。」
ようやく離れたと思ったら、舌なめずりしながらそんなことを言われた。
「君、ねぇ…っ、する前から分かってたでしょ…っ、そんなこと…!」
分かっててじっくり堪能するようにしてきたくせに何を言ってるんだ、と内心思いながら閻魔は乱れた呼吸のまま文句を言う。
あぁ、手がベタベタだ。
「同じ甘いでも、大王との口付けならまた違うかなって。」
「っ…!」
言いながらぺろりと自分の手のひらを伝うアイスを舐める鬼男の舌がやけに色っぽく見えて。
閻魔は思わず頬を染めて目を逸らした。
「それで?食べきれないのなら、口直し付きで僕が食べてあげますけど?」
くすくすと笑いながらクレープを持つ閻魔の腕を掴み、自分の口元まで持ってきて問いかける鬼男。
「っ…お、俺もまだ食べたい…から、半分…こ。」
閻魔はそんな鬼男を横目で見ながら、小声でぼそっと呟いた。
何だかんだで、鬼男とのキスは嫌いじゃないから。
「分かりました。休憩時間内に食べ終わりましょう。」
クレープも…大王も、ね。
「っ!!」
耳元で付け足された言葉に、閻魔はクレープを食べられないくらい硬直した。
さて、本日の業務はちゃんと終わるのでしょうか…?
【終】
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書き終わってから気がついたんですけど、クレープで作るのって皮と生クリームくらいですよね。鬼男くんの技術力って分かるのだろうか…?
どうにも私は鬼男くんにお菓子作りをさせたいようです。毎日閻魔のために、閻魔の要望どおりにお菓子を作ってたら、すごく素敵だと思いませんか?
そろそろ飛鳥・細道のメンバーも書きたいけど、ネタが浮かばない…。誰かネタをくだs(殴
最後まで読んでくださりありがとうございました!
吸血衝動(鬼閻)
2009/09/16 20:31:29
漣さんの素敵過ぎるイラストに一目ぼれして、テスト勉強も手につかなかったので書き上げた後、納得行かずに非公開→本日大幅に書き直し。
イラストの色気と瞳にすごく惹かれたのですが、上手く表現できずにすごく残念な感じに仕上がってしまいました。
でも、最初に書いたのよりはマシになった…はず。いや、そう信じたいだけなのかもしれない。
・鬼男くんが血を欲しがります。
・閻魔様がちょっと乙女入ってます。
・後半は私が暴走して、軌道修正した結果。
意気込んで書かせてくださいといったのにこんな感じで本当に申し訳ないです。
最初と比べると、糖度が高くなっているかもしれません。
漣さん、全力ですみませんでしたっ!
目の前にはさぁどうぞと言わんばかりに無防備にさらけ出された白い肌と、大王が生きていることを証明する脈拍。
「えっ、と…鬼男くん?」
大王がビクッと体を震わせた、その動作すら愛しい。
どくん、と僕の心臓が大きく脈打った。
早く、早く…と体が騒ぎ立てる。
僕の中にいる何かが、待ちきれないと訴えるように。
「鬼男くん…来て…?」
あぁ、もう…どこまでバカなんだお前は。
「…っ!」
「はっ…ぁ…」
血液が急激に減少したことによりただでさえ白い肌がさらに白さを増している。先ほどまで僕を支配していた気持ちはすっかり消え、強い恐怖心が襲う。
自分のしようとした事があまりに信じられなくて。
ついさっきまでの自分の行動、思考に嫌気が差す。
「っ…!」
か細い声とともにそっと、僕に差し出される大王の手。僕の頬に添えるように優しく触れてくる。
「もう、へいき…?」
大王の声と存在を感じたからか、不思議と冷静になった僕は、もたれかかってきた大王を支えるように抱きしめながらようやく大王に容体を問いかけることができた。
「ん…?俺はへーき。ちょっと、くらくらするけどね。」
ふふっ、といつもどおりに笑う大王に、胸が締め付けられるような感覚に陥る。
「本当に…すみませんでした。」
「そんなに謝らないでよ。俺の方が困っちゃう。」
何度も謝る僕にくすくすと笑って答える大王。
僕がしたことは、決して許されることじゃないはずなのに…。
「鬼男くんが元気になるなら、俺はそれでいいんだ。…今度からは、もっと早くに俺を求めてね?」
毎回貧血になるのはさすがに嫌だよ。と、冗談っぽく言う大王に愛しさが募る。
「…ありがとうございます。でも、大王の血をそう何度もいただくわけには…」
好きになった相手の血が最も美味しいとはいえ、大王に仕える秘書である僕が大王から血を貰うのは、さすがに分不相応だろう。
「でもさ、鬼男くん?大王と秘書であると同時に、俺たち一応…その、こい…な、か…でしょ?」
僕の思考を読み取ったかのように、大王が頬を赤らめて問いかけてきた。
それは、確かにそうなんだけど。
「俺は、鬼男くんになら…いくらでもあげたいと思ってるんだけど、な…?」
「っ…!」
なんだこのイカは。
傍から見ればただのオッサンのはずなのに…
「わ、ちょっ鬼男く…苦しいっ!」
思わずギュッと強く抱きしめてしまって、僕の胸に顔を押し付けられた大王が騒いだけど、離してなんかやらない。
ちょっとくらい、この喜びと感動をかみ締めさせろ。
「大王。」
「ん…なぁに?」
耳元で名前を呼べば、すぐに返ってくる声。
失わなくて良かった。
離れなくて良かった。
そばにいて良かった。
好きになって、良かった。
「大好きです。これからも…よろしくお願いします。」
「うん…!」
【終】
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あれ、おかしいな…?書き直したらいつもみたいな感じに納まってしまったぞ?
とりあえず書きたかったのは我を失いかける鬼男くんなんですが…うぅーん…。
普段の違う雰囲気を出したら納得いかなくて書き直したくなったんだから、きっとこういう雰囲気が一番書きやすくて好きなんでしょうね、私は。
漣さん、書き直してもこんな感じですみませんでした!!