- 2024/11/27 [PR]
- 2010/01/11 記憶の色(鬼男×閻魔)
- 2009/12/18 おにおくんといっしょ!(鬼+子閻?)
- 2009/11/14 ハッピーウェディング!(鬼男×閻魔)
- 2009/10/17 優しさゆえに(鬼閻)
- 2009/10/01 ただ閻魔に血を飲ませたかっただけ。
記憶の色(鬼男×閻魔)
2010/01/11 23:58:06
REN(漣)さんの動画を見て、勝手に書いて叩きつけた小説です。^q^
掲載許可をいただいたので、上げさせていただきます。
これは、私が動画とブログから勝手に想像、解釈したものです。
読んでくださるという方は追記からどうぞ。
漣さん、掲載許可ありがとうございました!
鬼男が転生する日。閻魔は鬼男を呼び出した。何があるわけでもない…けれど、今日のように雲ひとつなく晴れ渡った日は、空が綺麗に見える場所だ。以前、鬼男と歩いたこともある思い出深い道。
「愛してる、ずっと…大好きだよ鬼男くん。」
青い空を見上げて呟けば、瞳から雫が頬を伝った。言葉は残ることなく青空に溶け、思いは涙となって流れていくようで。閻魔は涙を拭うこともせずに瞳を閉じる。
頭の中を、鬼男と出会ったその日から今日までの日常や嬉しいこと、悲しいこと…時には傷つけあってしまった思い出が駆け巡った。確かに自分たちは出会って、お互いまるで惹かれあうように恋をした。
「…ありがとう、鬼男くんと出会わせてくれて。素敵な恋を、させてくれて。」
閉じていた目を開けて、柔らかく微笑む。閻魔大王が赤い糸を信じるなんておかしいかもしれないけれど、強く繋がっていたんだと…出会うべくして出会ったのだと、今は信じたかった。
「♪~…」
自然と口から出てきた旋律。大好きと、ありがとうの気持ちを歌った…閻魔も鬼男も好きな曲。閻魔の通る声によく合っていると、鬼男が笑っていたのを思い出した。
「あ…」
呼び出された場所に近づくにつれて大きくなる歌声に、鬼男はふと顔を上げる。目を閉じてのびのびと歌う閻魔の姿に、無意識に顔が綻んで優しい微笑みを浮かべた。少し離れたところで立ち止まり、閻魔の歌が終わるのを待つ。
「お待たせしました、大王。」
「あ、鬼男…く、ん…」
歌が終わり、一息ついたところで閻魔に近づき鬼男は声をかけた。閻魔が振り返ると、そこには大好きな優しい笑顔で、わずかにだが光を放つ鬼男の姿。
出会えてよかったと、ありがとうの気持ちとともに笑って言えると思っていたのに、その姿を目の当たりにして閻魔の心が揺らいだ。
「ねえ、キミから、」
――どうかきえないで…ここに、いてよ…!
鬼男の体から溢れては消えていく薄い色を含んだ光の中には、鬼男の過ごした時間も…2人きりの大切な時間もたくさん詰まっていて。
お願い、誰か止めてよ。連れていかないで…オレたちの大切な…
「大王…?」
不自然に止まった閻魔の言葉を不思議に思い鬼男が声をかけると、閻魔はハッとしたように肩を震わせた。結局…黙っていてももう時間は戻らないし、これは決まっていることだ。
「今日で…君とはお別れだよ。おめでとう、鬼男くん。今まで…本当に、ありがとう。」
「え…?」
泣きそうに震えた声で、閻魔は無理矢理笑って言おうと思っていた言葉を口にする。言葉にすると、それははっきりとした形となって鬼男に表れた。先程まではわずかに、ゆっくりと放たれていた光が、薄い色から濃い色へと変わり速度も速まる。
鬼男も脳内に蘇り廻っては消えていく記憶に、別離が近いことに気がついた。初めは自分でも覚えていないような些細なこと。続いて印象に残っている出来事。小さくて大したことのない記憶から、だんだんと大きくて大切な記憶が消えていく。
「っ…!」
離れたくない…消えて欲しくないのに、それは留まることも掴むこともできなかった。
「…あなたのことを、心から…強く愛しています。隣に立って、誰よりもずっとそばにいられたことを…幸せに思っています。」
最後に残った記憶は、何にも変えられない…何があっても変わらない強い閻魔への思いだった。優しくて…とても、愛しい記憶。大切で、最後まで無くしたくなかった人。
「 」
閻魔はいっぱいに涙を溜めて、それでも何とかして最後の言葉を口にしたけれど、音にはならなかった。たった5文字の、けれど大切な言葉。
しかし鬼男は何も言わずどこか嬉しそうに笑って、閻魔の白い頬に触れるだけの軽い口付けを送る。触れたその瞬間にはもうその感触は無くて、彼の瞳によく似た色を纏って光の中に消えてしまった。
「っ…」
堪えきれず溢れた涙が、頬に透明な筋を作る。彼の光の名残をきゅっと抱きしめて、閻魔はその場に膝をついた。
色を持っている人はさいわいだ、他の色とまじわることができる
いまだもっていない人もさいわいだ、これからどんな色にも染まることができる
なら、脱ぎ捨てられた色はどこに行く?
脱ぎ捨てられた色は…
「オレが拾って…大切にするよ。」
濡れた頬を拭って、閻魔は変わらず広い青空を見上げた。
【終】
おにおくんといっしょ!(鬼+子閻?)
2009/12/18 21:59:12
↓の小説を書いているときに、上手くいかなくて行き詰っていたら授業中にふと
「幼児くらいの閻魔が振り分けしてたらどんなだろう…?」
という思いが過ぎり、つい出来心で同時進行で書いておりました。
止まったらこっち、つぎはこっち、という具合にやっていたので良い気分転換と息抜きになっていました。^q^
完成度としてはどっちもどっちってくらい低クオリティですけど…もともとそんなに表現力があるわけでもないのでよしとする。(待て
・閻魔が幼児になっています。
・もはや閻魔という名の別人です。
・閻魔が好きな人は見ないほうが良いと思います
・死者の振り分けというよりお菓子作りになってしまった
・甘さは相変わらず
・ぶっちゃけると閻魔を抱っこする鬼男が書きたかっただけ
・さらに言うなら閻魔を大泣きさせたかっただけ
こんな状態ですが、それでも読むという猛者はどうぞ…
「あなたはてんごく。よくいきました!」
小さな頭には少し大きいように思える『大王』と大きく書かれた帽子を被り、にっこり笑って告げる4~5歳ほどの小さな子ども。澄んだ大きな紅玉の瞳と、触り心地の良さそうな白い頬が特徴的だった。
「天国はこちらです。どうぞ。」
目の前の存在に頭がついていかなくてポカンとしている死者に、子どもの隣に立っていた鬼は表情も変えず天国への扉を指し示す。
「は、はぁ…ありがとう、ございます。」
いまだに状況把握は出来ていなかったが、そう言われてしまったら素直に従うほかないわけで。
死者は不思議そうに首をひねりながらも礼を言って天国の扉をくぐっていった。
「おにおくん、つぎのひとはーぁ?」
「本日は今の方で最後です。大王、お疲れ様でした。」
こてん、と首を傾げて尋ねてくる閻魔に鬼男は柔らかく微笑んで答える。その際、ずれてしまった大きな帽子を直してやることも忘れずに。
「ほんと!?じゃあ、きょうのおしごとおわりなの?!」
途端にぱあっと表情を明るくして、閻魔は勢いよく立ち上がり問いかけてきた。
せっかく直した帽子も、結局閻魔の頭から落ちてしまった。
「はい。本日はもう何もないですよ。」
鬼男は落ちた帽子を拾って机に置いてやりながら、また笑って見せる。
死者の振り分けは必要で重要な仕事だが、鬼男は幼い閻魔に人間の醜い部分を見せるだけでなく、時には感情を殺して死者を突き放さなければいけない辛い行為を続けさせるのが、やはりいい気分ではなくて嫌だった。もっとも、閻魔はそれを頭ではなく体で理解して続けているので、仕事に関して負の感情は見せたことはないが。
「やったぁ!じゃあおやつにしよ、おやつ!」
しかし仕事が終わるのはやはり嬉しいらしく、ぴょんぴょんとその場で飛び跳ねながら閻魔は満面の笑顔で騒いだ。
「分かった分かった。すぐ準備しますから、少し待っててください。」
鬼男はそんな閻魔を見て苦笑すると、なだめるように頭を撫でて言ってやる。すると閻魔はしゅんと肩を落として上目遣いに鬼男を見上げてきた。
「…ここでまってなきゃだめ、なの?」
鬼男の服をきゅっと掴んで、寂しそうな顔をする閻魔。多くの人間を迎え入れ、裁いているここは、閻魔はもちろん今まで来た人間の様々な感情が残っている。そして何より、子どもひとりで待つにはいささか広すぎた。
「ほんと、しょうがない奴ですね…」
理由が分かっているからこそ、閻魔の表情、態度を見て鬼男はため息混じりに呟くと、ひょいと閻魔を抱き上げた。しょうがない奴は間違いなく自分だ、と思わず嘲笑が漏れる。
「わぁーい!だっこだっこ!!」
しかし閻魔はただ単純に一気に近くなった鬼男との距離を喜び、嬉しそうな声ではしゃいで、パタパタと足を動かした。ぎゅうっと首に抱きついて柔らかい頬をすり寄せてくる。
「こら、あんまり暴れてると落としますよ。」
そんな閻魔の喜びように鬼男は考えるのもバカらしくなってきて、いつものように呆れた声で軽く注意する。しっかり支えているし、鬼男の足は調理場へと向かっているのに、閻魔はそれに気づくこともなく慌てて動きを止めて鬼男にきつくしがみついた。
「やーっ!おれ、おとなしくしてる!おとなしくしてるから、おとしちゃヤだぁ~!!」
「ばぁーか。僕はお前を落しませんよ、絶対。でも、歩きにくいんでこのままおとなしくしててくださいね。」
鬼男は泣きそうな声で叫ぶ閻魔を楽しげに見やって、ぽんぽんと慰めるように背中を叩いてやる。
その言葉を聞いて安心したのか、肩の力を抜いてへらっと笑いながら「うんっ!」と閻魔が頷いたのと同じくらいのときに、2人は調理場に着いた。
「きょうのおやつ、なぁーにー?」
閻魔を抱き上げたまま冷蔵庫を開ける鬼男に、閻魔はわくわくした様子で問いかけてくる。
鬼男はあらかじめ作っておいたプリンといくつかのフルーツ、生クリームを取り出してから閻魔を下ろした。
「今日はプリンです。大王、飾り付けてくれますか?」
閻魔用の踏み台を持ってきて、エプロンをつけてやりながら鬼男が言うと、閻魔は驚いたように目を丸くして鬼男を見上げる。
数回ぱちぱちと瞬く様子がどこか可愛らしい。
「おれが、やってもいーの?」
「ちゃんと手を洗ったら、大王の好きなように飾っていいですよ。」
じっと鬼男の目を見つめて尋ねる閻魔の頭をくしゃりと撫でて答えてやる鬼男。閻魔の顔が、嬉しそうの綻んだ。
「うふふ、きこーしのぎじゅつをみせてやる!」
「お前は間違っても貴公子じゃねえし、飾り付けにそんな技術は必要ないだろ。」
やる気十分といった様子の閻魔に鬼男はすかさずツッコミを入れたが、当の本人はもうすでに飾り付けに夢中。
それを確認して、鬼男は自分と閻魔の飲み物を準備し始めた。
「やぁーん!おにおくんたすけてぇ~っ!」
「大王!?」
オレンジジュースをコップに注ぐために目を離したその瞬間に聞こえた閻魔の助けを求める声に驚き、鬼男は何事かと振り返った。頭の中で瞬時に何か問題が起きる要素があったか思い起こしながら。
「ふぇーん、くりーむがきれいにならないよぉ…」
「は…クリー、ム?」
恐らく力を入れすぎたのだろう。パンダの顔のように飾り付けられたフルーツとプリンの上に生クリームが飛び散っていた。
どんなやり方をしたのか、手にも頬にも生クリームをつけて泣きそうにくしゃりと顔を歪めて言った閻魔の言葉に、鬼男は頭が理解するまで時間を要した。
「うぅー、おれのカンカン~…」
「はぁ~…もう、そんなことで叫ばないでくださいよ。何かと思ったじゃねえか…」
今にも溢れ出してしまいそうな位に涙をためてはいるが、閻魔の呟きと姿を見て危険があったわけではないと理解した鬼男は一気に緊張が解け、思わず机に手を突いて失言してしまった。
「そんな…っ、そんなことっていうなぁ!うわぁーん、おにおくんのばかぁ~!!」
閻魔からすれば初めての鬼男の手伝いということもあって、真剣に一生懸命にやっていたのにそれを軽く見られてしまったようで、我慢していたいっぱいに溜まっていた涙はあっという間に溢れ出してしまった。
「あぁーっ、すみません!僕が悪かったです大王!ほら、泣くな泣くな~?」
「おにおくんなんてしらないもんー!ばかおにー!きらいだぁー!!」
慌てて近寄り泣き止ませるように頭を撫でてやるも、一度泣き出してしまうと簡単には泣き止まない。ぽかぽかと泣き喚きながら鬼男の体を叩く閻魔。
頑張っていたことをやり遂げられなかったこと、認められなかったことが悔しくて仕方ないのだろう。
「聞けっ、この大王イカ!!」
閻魔の体を無理矢理自分から離して、鬼男は泣き声より遥かに大きな声で怒鳴った。
「っ…!」
自分の泣き声より大きな声に驚き、閻魔は一瞬ピタリと動きを止める。普通ならそのあとすぐに第二波のようにさらに大きな声で泣き出すところなのだが、そこは鬼男。
一度自分に意識を向けさせたらその隙は逃さない。
「さっきはすみませんでした。お詫びに、今からこのプリンに魔法をかけてやります。よーっく見ててくださいよ?」
鬼男は閻魔と目線を合わせるように少し屈むと、努めて優しく、安心させるように微笑んで告げた。
「まほー…?」
その笑顔と近くなった目線に少し落ち着きを取り戻し、聞き慣れない単語を耳にしたことで閻魔の意識はそのまま泣くこととは別の方向へと向かった。
「はい、魔法です。今から僕の不思議な力で、これをカンカンにしてやりますよ。」
閻魔の問いに頷き、肩を片手で抱き寄せてから、鬼男は悪戯っぽく笑って引き出しからパレットナイフを取り出した。
何をするんだろう、と閻魔の目がプリンに移ったところで飛び散ってしまった生クリームを集め、それを使ってデコレーションケーキのようにプリンを薄く包んでやる。
「…さて、大王?カンカンの顔で黒くなっているところはどこでしたか?」
「え?っと…ん、っと…みみと、めと、それからはな!」
鬼男が閻魔の肩をぽんと叩いて問いかけると、閻魔は突然の問いに少し考えるように視線をさ迷わせてから、にっこり笑って答えた。
「うん、よく出来ました。」
言いながら、いい子いい子と頭を撫でてやり、必要なら最後にかけようと思っていたカラメルを取り出して、閻魔の言ったようにカンカンの顔を描く。すると閻魔の瞳は嬉しそうに輝いて
「すごーい!カンカンだぁー!おにおくん、カンカンできたぁっ!」
かなり興奮した様子で声を上げた。目の前でまるで魔法のようにプリンがカンカンの顔へと姿を変えたのだ、喜ばないはずがない。
「そうですね。でも大王?これは、僕ひとりじゃ出来ませんでした。大王と僕、2人だから出来た魔法なんですよ。」
頬に付けたままにしてしまっていた生クリームを指で拭ってやりながら、鬼男は言い聞かせるように言った。閻魔がいたからこの魔法が使えたんだと、ちゃんと手伝うことは出来ていたのだと暗に伝えるために。
「おれと、おにおくんの…まほう?」
「そう。僕と大王で使った、変身の魔法です。助かりました。ありがとう、大王。」
首を傾げて不思議そうに尋ねてくる閻魔に、鬼男は大きく頷いてもう一度閻魔の頭をくしゃくしゃと撫でてやると、自分が役に立てたということが分かったらしく閻魔は照れくさそうに笑って見せた。
「よし、じゃあプリンも出来たところだし食べましょうか?」
「うん!」
鬼男はそこでようやく閻魔から離れ、つけていたエプロンを外してやりながら声をかけた。閻魔はそれに大きく頷いて、今か今かとエプロンが外されるのを待つ。
「じゃあ大王、先に隣の部屋に行って机を拭いてきてください。」
「わかった!おにおくん、はやくね?はやく!」
エプロンを外し終えてから綺麗なテーブルふきんを閻魔に差し出して、鬼男が言うと待ちきれないのかそわそわした様子でふきんを受け取りそんな言葉を残して喫食室へと駆けて行った。
本当は先に片づけを済ませてしまいたかったのだが、初めて一緒に作ったおやつだ。閻魔だって早く食べたいだろう。
鬼男はとりあえず使った器具を流しに置き、余ったフルーツを冷蔵庫にしまうだけしまって、出来上がったプリンと2人分のジュースをお盆に乗せ、閻魔の待つ喫食室へ向かった。
【終】
――――――――――
はい、本当にただの趣味です!書いてる本人はすごく楽しかったです。
こんな浮気をしているから本当に書きたいものが上手くいかないんですかね…?でも、書きたくなってしまったんだもの!
↓では、いかに鬼男くんをカッコよく書くかに重点を置いていたので、甘い話ばかり書いている私には2人のいちゃつきが足りなかったようです。^q^
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
ハッピーウェディング!(鬼男×閻魔)
2009/11/14 02:00:54
ただウェディングドレスを着せたいという気持ちだけで書き出したので、まとまりもなく、長い話に…orz
・閻魔女体化です。
・現代パロ(?)です。
・え、鬼男くんどうした!?(カッコつけ的な意味で
・季節感?そんなものないよ!
・悪いのは、結婚式は6月に挙げるものだという誤った認識を私にさせた日本だよ!
・現実的な問題はすべて華麗にスルー
・相変わらずの砂吐き甘々
【終】
―――――――――――
なんだかびみょーな終わり方です。
閻魔にウェディングドレスを着せるために書き始めたはずなのに、なんだか長い上に着る時間が短く、表現もあまりないって言う…。
スカイプで色々衣装について意見をくれた方々、ありがとうございました!しかしあれは、これではなく別パターンの話です。書き切れるかどうか正直分からないくらい行き詰っているので、書けなかったらすみませ(殴
とりあえずは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
優しさゆえに(鬼閻)
2009/10/17 19:08:02
・個人的な観念、解釈が含まれます。
・閻魔が泣きます。
・ぶっちゃけよく分からない。
・やっぱり鬼男くんがかっこつけ。
・ちょっと暗め?
相変わらずの低クオリティーですが、読んでくださる方は追記からどうぞ
「そうやってしらばっくれる態度もひとつの要因だね。…問答無用。連れていけ。」
今日もまた、増え続ける地獄行きの死者。
そして、以前と比べると無意味な言い訳や問答をしてなんとか天国に行こうとする死者も増えてきた。
「何を言ったって、審判は覆せないのにね。」
閻魔が悲しみを帯びた声でポツリに呟く。
あ、と思ったときはもう遅かった。
「そう…そうだよ。審判は覆せない。覆せないんだよ!それなのに私のせいじゃない、俺は悪くない、って毎回毎回!地獄行きになるだけのことをしたって、なんで自分達で気付かないのっ!?」
「大王…っ」
取り乱した様子で叫ぶ閻魔に声をかけるが、耳に届いているはずもなく。
「最近はいつもそうだ、覆ることのない審判を前にくだらない戯れ言ばかり並べて!!俺にっ…俺にどうしろって言うんだよ!?俺なんかに何かできるはずがっ…」
「閻魔大王っ!!」
「っ、」
結局、いつものように鬼男は声を張り上げて閻魔を呼びながら、腕を掴んで強く抱き締めた。
「分かってます…分かってますから、もう…」
自分を傷つけるのは、やめてください。
その声で閻魔は動きを止め、くしゃりと顔を歪めると、すがるように鬼男の服をぎゅっと握りしめた。
「っ、ふ…ぅっ、く…うぅー…」
ぽろぽろと濡れた瞳から雫が溢れ出す。
…誰よりも人間を愛しているあなただから。
救えないのが悔しくて、決まった判決を告げるだけの自分が悲しくて、大切なものを傷つけることで自らを苦しめ、傷つける。
「っ、俺は…無力だね…っ」
「…お前は優しすぎるんだよ。」
鬼男の腕の中で肩を震わせてしゃくり上げる閻魔の頭を優しく撫でて、鬼男は努めていつも通りに答えた。
閻魔の苦しみや葛藤などいざ知らず、世界はまだ足りないとばかりにどんどん愚かな人間を創り出す。
――これが、こいつへの罰だって言うんだろうか。
救いたくても救えない魂を突き放し、苦痛しかない地獄に送り続けて。
悪態や暴言をその身に受け、それでも無感動に、私情も同情も挟まず平等に裁きを続けなくてはいけない。
「解ってる…っ、罪には罰だ、って…でもっ…助けて、って…言われると…っ」
悪いのは罪を犯した方だ。犯した罪を償うために地獄があり、地獄で清算をすればそれで転生することも、天国に行くこともできる。
けれど…助けを求める声が、ずっと閻魔の中で響いて離れないのだ。
頭で理解していても、心が拒む。助けてあげたいと、苦しめたくないと悲鳴を上げる。
「…大王。」
「っ!…ん、ふ…っ」
鬼男は声をかけながら閻魔の顎に手をかけると、そのまま涙で濡れて光る唇を自分のそれで塞いだ。
息をつく暇も与えないくらい激しく、閻魔の口内を荒らす。
「っ、ぁ…ふ、んっ…ぅ…!」
長く、しつこく口づけを続けていると次第に閻魔の体から力が抜けていく。
何か気の利いた言葉のひとつやふたつ言えれば良いのだが、今の鬼男には何も考えられないくらい頭を真っ白にさせて誤魔化す方法しか浮かばなかった。
「ふ…っんぅ…ん…」
閻魔の優しさが、苦しみが罰ならば、ただ耐えてもらう他ないから。
閻魔大王という地位をもらった以上、永遠に続くことだというのなら、下手な言葉を投げかけたってそれは気休めにもならない、無意味なことだ。
「っ、ふ…ぁ…っ、は…」
「…あなたが揺らぐと、世界も僕らも揺らぐんです。しっかりしてください、閻魔大王。」
鬼男は閻魔の両頬に手を添えて、はっきりと告げる。
酷なことを言っていると思う。けれど、いつまでも立ち止まってはいられないのだ。逃げようと思って、逃げられるものでもない。
「辛いときは、言ってください。その肩にかかる荷物が重くて潰れそうなときは、一人で持たずに僕にも持たせてください。」
「鬼男くん…」
「全力で支えてやるよ。お前だけが苦しみ、傷つく世界なんて、僕は絶対認めない。」
人間が、世界が閻魔を傷つけて苦しめるなら。それが罰だと言うのなら。
せめてそばに仕える鬼が、癒し休める場所になったっていいでしょう?
【終】
―――――――
私が精神的に落ち込んでいたときに書き始めて、途中で止まっていたものです。
落ち着いてから書けばすんなり終わるのですから、バッドエンドや救いのない作品は書けないのかもしれません。
だって、好きな子達には幸せになってほしいんです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ただ閻魔に血を飲ませたかっただけ。
2009/10/01 20:40:07
・gdgdにもほどがある。
・とりあえず鬼閻のつもり。
・閻魔が鬼男の血を飲みます。
書きたいことが上手くまとまらなくなりました。
これからは設定とか流れとかを決めてから書き出すように…できたらいいなと思ってます。
仕事の合間、閻魔が鬼男の袖を引っ張ってねだるように声をかける。
「仕事中はダメだっつってんだろ。欲しけりゃ仕事をさっさと終わらせてください。」
鬼男はいつものファイルから目を離さずに言い返す。
赤みが増して艶やかな光を放つ紅玉と目を合わせたら、抵抗できなくなるから。
「うー、喉渇いたぁー…」
「我慢しろ。アンタ僕の血を飲むと使い物にならなくなるんですから。」
鬼の力を抑制するためなのか、単純に食欲などと同じように体が欲しているだけなのか鬼男にはよく分からないが、不定期に閻魔は血を欲しがる。
空腹を訴えるのと同じように、喉が渇いたと言って鬼男の袖を引っ張るのだ。
「ねー、鬼男くぅーん…」
「ダメです。」
なおも袖を引っ張って催促する閻魔の手を今度こそ振り払う。
あまり我慢させてしまうと閻魔も鬼男も辛いので、できるなら早めに飲ませてやりたい。
「はぁ…鬼男くんの、意地悪ぅ…」
「…早く飲みたいんでしょう?文句言ってる暇があるならさっさと終わらせるぞ。」
執務机にしんどそうに突っ伏す閻魔の頭を、ペシッとファイルで叩いてたしなめる鬼男。
「むー…分かったよ。じゃあ、次呼んで。」
渋々といった様子で起き上がり、閻魔は言った。
辛そうではあるが、残っている死者を捌くだけの余力はありそうだ。
「はい。…では、次の方どうぞ。」
◇◇◇
「今日の裁きはこれで終わりです。大王、お疲れさ…っ!」
全員を裁き終え、チェックも終えた鬼男が閻魔にいつも通り報告していると、それすら待ちきれないと言うように閻魔が手を伸ばして抱きついた。…熱っぽい視線と目が合う。
「ちゃんと、待ったよ。だから、早く…ちょーだい…?」
「っ…」
熱い吐息と上目遣いでねだる閻魔に、鬼男は息を飲んで動きを止めた。…紅玉に誘われるように、拍動が大きく、早くなる。
仕事も終わったし、約束は約束だ。
「…飲みすぎないで下さいね。」
「ん…」
ため息混じりに鬼男が答えると、閻魔は嬉しそうに瞳を輝かせて鬼男の首筋に唇を寄せた。
「ふふっ、いただきます。」
「ぃっ、つ…!」
よほど我慢していたのだろう。勢い余るくらい容赦なく、閻魔は目の前の首筋に鋭い牙で噛みついた。
鬼男が脈打つ度に、喉を鳴らして喜ぶ閻魔。
次第にかなりの熱を持っていた閻魔の体はいつも通り落ち着いていき、先程までの見る者を魅惑するような瞳の艶やかさもなりを潜めていった。
「ふ…は、ぁ…」
満足したのか、閻魔は鬼男から口を離し、とろん…と眠そうな瞳で彼を見上げる。
「満足できましたか?」
飲みきれず閻魔の口端を伝う赤を、頬を撫でるように指で拭ってやりながら、鬼男は優しく問いかけた。
「ん…ごちそー、さまぁ…」
こてん、と鬼男の胸に体を預けて舌足らずに答える閻魔。
「なら良いです。どうぞ、おやすみなさい。閻魔大王…」
ふわりと安心させるように柔らかく閻魔の頭を撫でながら鬼男が言うと、閻魔は抵抗なくゆっくりとまぶたを下ろした。
それからすぐに聞こえてくる、穏やかな寝息。
「ったく、思いっきり噛みつきやがって…」
片手で閻魔を支えながら、空いた手で傷口を押さえる。
もちろん、もう出血は止められているが、傷跡も痛みもわずかに残っていた。
「飲みすぎんなっつったのに…」
我慢した反動がやはり出たのか、閻魔はいつもより多めに飲んだようで、少し頭がくらくらする。
しかし、いつまでもこの状態でいるわけにもいかない。鬼男は軽くため息をついてから安心しきった様子で眠る閻魔を抱き上げた。
「んん…」
途端に、甘えるようにすり寄ってくる閻魔。
赤子のようにきゅっと鬼男の服を握ると、幸せそうに微笑んだ。それを見て、鬼男も自然と笑みを浮かべる。
「よっ…と。」
閻魔の私室に入り、そのまま起こさぬよう布団を整え、ベッドに寝かせる。
邪魔そうな帽子はいつものように枕元に。
掛け布団をかけてやって、さて仕事場を片付けようかと立ち上がったところで急激な目眩に見舞われた。
「っ!」
足に力が入らずそのまま上半身が布団にへたり込む。
「はぁ…っ、しんど…」
ふかふかの布団に体を沈めてしまうと、起き上がるのが嫌になってくるもので。
――今日はもうこのままここで寝かせてもらおうか。
そんなことが頭をよぎると、本格的に起き上がりたくなくなり、疲れと貧血のせいか眠くなってきた。
しかし、本当に仕事が終わったそのままの状態で放置されているし、もちろん明日の予定確認も準備も済んでいない。
「あー…もういいや。」
閻魔の寝息を聞いていたらどうするか考えるのもバカらしくなってきて、鬼男は一人呟くと閻魔の隣に横になった。
「んー…ん、ぅ…」
すると気配を無意識でも感じ取ったのか、閻魔がすかさず甘えるようにすり寄ってくる。
「…お休みなさい、大王。」
明日は朝から忙しくなるが、同じように閻魔を叩き起こして手伝わせてやろうと、そんなことを思いながら鬼男も閻魔の寝息につられるように眠りについた。
【終】
―――――――――
逆に閻魔に鬼男の血を飲ませてみました。
最初は、鬼の気にやられないようにするためにとか、血を飲むことで鬼男の行動を制限してるとか、強すぎる自分の力を抑えるために鬼の血を飲まなければいけないとか、色々考えていたのですが…上手くまとまらず、結局なんで閻魔に血を飲ませたのか分からなくなってしまいました。
文章力、表現力、発想力を身に付けたい…orz